内容説明
大人気ゲーム「ぷよぷよ」を失ったプログラマー、野茂をメジャーに流出させた300勝投手、箱根往路のゴール目前で倒れた大学生、石器発掘の〈神の手〉に騙された研究者――。人生には「まさか」がついて回るが、ニュースになるほどの不運や失敗に見舞われた人々は、その渦中にあって何を思い、その後も続く長い人生をどう生き抜いてきたのか。知られざる軌跡と人間ドラマを描く人気連載、待望の新書化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
113
不運や失敗による「まさか」に出会った人たちのその後を追う読売新聞の連載「あれから」の中から、誰もが覚えている有名な20の物語が紹介されている。でも、当事者にいつまでも付き纏い、事件を蒸し返し、「あれから」を世間に晒すのは、正しい行為なんだろうか。確かに、記事は暴露趣味的でなく一定の社会性はあるし、執筆者を明記する読売新聞さんの姿勢はフェアだとは思う。でも、何か割り切れない。マスコミの問題というのではなく、過去の事件の当事者の現在の姿を覗き見たいと思ってこんな本を手にした自分のゲスさに、腹が立つのである。2025/08/17
kinkin
97
過去にいろいろな意味で話題になった出来事や人について、その後どうなったのか、20話が紹介されている。山一證券の営業マンだった男性、ベトちゃんドクちゃん、日本初の生体肝移植の執刀医、中国で突然2279日間拘束された男性、旧 石器時代遺跡の捏造事件、銀座のマクドナルド1号店が開店した日、甲山事件、アメリカ横断ウルトラクイズに参加した男性、他。すっかり忘れていたことも多かった。読んでいるとタイトルのように「まさか」ということが誰しもあるかもしれない。まさかは人生にはつきものなのだろうか。図書館本2025/07/09
シャコタンブルー
53
20編の中では旧石器時代遺跡の捏造事件が衝撃だった。まさかあんな単純な手口に専門家達が騙されるとは・・騙された研究者のその後の人生観と潔さに救われる思いがした。「中国で突然拘束、2279日間の苦難」説明もなく理由も分からず6年余りも拘束された鈴木英司さんの恐怖は凄まじく恐らく死を意識した瞬間もあっただろう。その後中国に滞在することの危険性や警鐘を鳴らすことの意義ある活動は称賛しかない。本日アステラス製薬の社員がスパイ罪で懲役3年6月の判決だったが怒りしかない。すでに拘束された邦人は17人に及ぶ。2025/07/16
hideto
11
読売新聞の記者達による、「まさか」の出来事が起こった方達のその後を追った一冊です。主に昭和後期から平成の出来事を取り上げてますが、あ〜あったあったと懐かしい出来事ばかり。取り上げたジャンルも、ぷよぷよ、三陸鉄道、ベトちゃんドクちゃん、地下鉄サリン事件にウルトラクイズとバラエティ豊か。ネットにはできない、新聞にしかできない、いい企画だなと思いました。あと、巻末に載ってある記者略歴は、小ネタ集かよと思うとともに、若い記者のなんて多いことよと実感させられました。2025/07/17
へい
8
週刊誌の定番企画のようにある「あの人は今」。個人的にはすごく下世話な企画で、今を知ったところで私ができることなんてなにもないしなと思ったけれど、さすが新聞企画で追跡や時系列がかなり丁寧に書かれているなと思ったし、たぶんネットでこの企画やると週刊誌以下の下世話さになっていたと思う。そういう意味でこういう企画がオールドと称されるものの生きる道なんではないかと思う。脚光を浴びた人は、そこからどう生きるかこそが、かっこよさの判断材料になり、ここに登場する人はカッコイイ人が多かった。なすびさんの話がよかった。2025/07/26
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