技術者天国 日亜化学工業、知られざる開発経営

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技術者天国 日亜化学工業、知られざる開発経営

  • 著者名:近岡裕【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 日経BP(2025/04発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784296207817

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内容説明

年間予算なし、紙1枚の稟議書で数十億円がぽんと出る
研究開発テーマは技術者の意気込みで決まる
失敗という概念なし、駄目だと分かれば一歩前進
高成長を続ける日亜化学工業の秘密がここに!

 付加価値の高い製品をいかに生み出すか──。これが日本の製造業にとって喫緊の課題となっている。では、どうしたら付加価値を創り出せるのか。悩める日本企業にヒントを提供できる企業に、日亜化学工業がある。過去30年で売上高を30倍にした、日本の製造業において高い成長力と収益力を誇る企業の1つである。

 成長力と収益力の源泉は、付加価値の高いものづくりにある。その代表格は、「20世紀中の実現は難しい」と言われた青色LEDであり、青色LEDと蛍光体と組み合わせたシンプルな構造の白色LEDだ。さらに、開発の難易度がLED以上に高い青色半導体レーザーも忘れてはならない。こうした世の中にない画期的な製品を創造し、さらに性能や品質でも他社の追随を許さない新製品を生み出し続ける取り組みが、同社に高い競争力をもたらしている。

 今でこそ大企業だが、光半導体を開発する前は地方の一企業と見なされていた。そうした企業が大手企業の向こうを張って、高輝度な青色LEDをはじめ、白色LED、半導体レーザーの開発・量産に成功した。

 なぜ、日亜化学工業は付加価値の高い製品を生み出し続けられるのか。その回答を記したのが本書である。

 利益率を高めようと管理を強化する一方の企業とは対象的な日亜化学工業。それでもうまくいく知られざる開発経営の秘密に、製造業の取材歴28年の日経BP編集委員が迫る。

目次

はじめに
第1章 「技術者天国」と呼ばれるワケ
1 驚異的な成長─この30年で売り上げが30倍に─
2 失敗は新たな挑戦の始まり─CTOを直撃─
第2章 「日亜」の正体─“無名”から世界的企業までの軌跡─
第3章 LED開発物語
第4章 半導体レーザー開発物語
第5章 なぜ日亜は開発に成功したのか
第6章 小川英治会長の頭の中─日亜化学の真の成長源─
第7章 成長の秘密─小川裕義社長を直撃─
1 「面白いこと」に巨費を投じて売り上げ30倍
2 「ありたい姿」は新技術開拓の先に1兆円
第8章 生産力と品質力の秘密
第9章 「最強」の知財部門
第10章 「技術者天国」が生んだ青色LED
1 青色LEDの開発現場
2 青色LED訴訟と和解
第11章 青色LEDを最初に光らせた研究者
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

tockt-a

2
以前、日本製鉄を読んでから企業本に興味を持ち丸善の横置きから購入。日亜化学工業の名前は聞いたことあるような無いような記憶しかなかったが、「はじめに」に青色LED製造メーカーと書かれていたのですぐにノーベル賞を受賞した中村修二氏が訴訟を起こした会社だと思い出した。当時は馴染みがない会社に対する破格の和解金だったので、発明の凄さというもの金額だけで感じていたが、この本を読むことで発明より「日亜化学工業」という発明を生み出す会社の社内風土、文化の凄さを知ることができた。2025/06/13

Go Extreme

2
付加価値創出が最大課題 提案者のやる気や意気込み重視 稟議書1枚で数十億円研究費即決 やって失敗する方が良い 技術力が製品の市場競争力の根源 青色LEDと蛍光体の組み合わせ→白色LED 窒化ガリウム選定 P型アニール法の偶然の発見 顧客の潜在的ニーズを掴む力 長期的視点での開発 必要な時に必要な投資を行う適時投資 技術の内製化へのこだわり 意思決定スピード 研究者の使命は夢づくり 他がやっていないことやる ブルーオーシャン戦略 生産設備の50%以上内製 品質は単なる性能ではなく安心 ゼロディフェクトの追求2025/05/11

DiceK

1
日亜化学のモノづくり企業としての強みを開発経緯含めて事実から紐解き、経営幹部へのインタビューをもとに明らかにしている。世の中にないものを作るのだから、装置から自前で作り、先行投資についても惜しげもなくスピーディーに実行していく技術開発への企業としてのリスペクト、重要視されていることを実感した。また、技術以外の視点でもお付き合いするお客様の選定、開発営業、イスラエル研究部門との繋がりなどマーケティング視点でも学ぶ点が多々あった。2025/05/05

HRM163

1
日亜は付加価値の高い製品を生み出し続けることで、過去30年で売上30倍にした会社。技術者が取り組みたいと願う研究や開発テーマに取り組ませる。稟議がシンプル。報告に書類が不要なケースもある。失敗しても責めず、駄目と分かったことを新たな知見と捉えて再挑戦の背中を押す。ただし二番煎じや低い目標は許さない。失敗は教材。行動原則は「勉強しよう、よく考えてよく働こう、そして世界一の商品を創ろう」2025/05/04

ぴよぴよ

1
付加価値の高い製品を産み出せと号令を発する経営者は多い。だが、それが可能な環境づくりを意識し、実践している日本企業はどれくらいあるだろうか。 非上場のいいところ。株主の目を気にする上場企業でどこまでできるか。 それでも経営者が意識し、実践していかないといけない。2025/04/29

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