内容説明
過疎化が進んだ町で小学校時代を過ごした大地は、二十年以上前の卒業以来初めて東京で同級生二人と再会する。虫取りやスイカ割りなどのノスタルジックな思い出話は、自然と五年生の時に起こった事故の話に移っていく。リーダー格の少年・翔貴が沼に落ちて昏睡状態となり、目覚めぬまま最近亡くなった水難事故の真相とは? 第一回創元ミステリ短編賞受賞作「嘘つきたちへ」など、全五編の“嘘つきたちの競演”。注目新人のデビュー短編集。※本電子書籍は、『嘘つきたちへ』(ミステリ・フロンティア 2025年5月初版発行)を電子書籍化したものです。/【目次】このラジオは終わらせない/ミステリ好きな男/赤い糸を暴く/保健室のホームズ/嘘つきたちへ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
65
表題作もそうだが、嘘をつく者たちによる5つの短編集。 「ミステリ好きな男」山小屋に避難のため集待った人間たち。 全く関係ない瑛太はこれはミステリの定番であり、何かに気付き独自の推理を始める。 単なる探偵役ではないのがミソである。 「保健室のホームズ」学校になれるため保健室で授業をするホームズと、ワトソンになりうる付き添うための生徒。 所詮は小学生の解決だが、それを支えるのもまた小学生という仕掛け。 表題作は同窓会に秘められた嘘。 1度きりの再開なので、嘘はあって当然という考え。 ラストにゾワッとさせる。2025/07/21
花ママ
62
第1回創元短編ミステリ短編賞受賞の「嘘つきたちへ」を含む5編の短編集、みな面白かったです。これがデビュー作とは思えない筆致。やはり「嘘つきたちへ」が一番面白かった。田舎の閉鎖的な集落にある小学校のクラスにあるスクールカースト。そこで5年生の夏に起きたリーダー格の男子の事故。20年ぶりに集まった同級生たちが、当時のことを検 証していく。結末わかったつもりでいたら、最後に 驚きの展開で幕を下ろした。その他「保健室のホームズ」も小学生が主人公でしたが、ちょっと怖い展 開に小学生恐るべしでした。 2025/07/04
シャコタンブルー
58
嘘も方便というが、それは時には潤滑油にもなるが油まみれで身動きできない状況にもなりえる(笑) 怪しそうな登場人物あの手この手で巧妙な嘘をつく。どの話も何が真実で何が嘘か最終場面まで分からない設定で楽しめた。5話の中では創元ミステリ短編賞受賞の「嘘つきたちへ」が印象に残った。四半世紀ぶりに居酒屋に集まった同級生3人の噛み合わない会話とあやふやな記憶そして巧妙な嘘に騙された。「このラジオは終わらせない」生中継のラジオブースでの緊張感あふれる会話と二転三転する展開で最後まで面白く読めた。2025/07/19
さっちゃん
48
「このラジオは終わらせない」「ミステリ好きな男」「赤い糸を暴く」「保健室のホームズ」「嘘つきたちへ」の、第1回創元短編ミステリ短編賞受賞作の表題作を含む、読み応えのある5話収録。表題作のみ既読。/タイトル通り嘘つき達のオンパレード。状況が二転三転する中、真実は何なのか、嘘つきは誰なのか読み手はずっと翻弄される。どれも後味はかなりビター。表題作はもちろん、生放送の緊張感の中でのやり取りに引き込まれた「このラジオ〜」も良かったけど、小学生のイヤミスなんて麻◯さんみたいと思った「保健室のホームズ」がマイベスト。2025/07/18
糸巻
29
第1回創元ミステリ短編賞受賞作の『嘘つきたちへ』を含む5篇収録のミステリ短編集。本格的なデビュー作であるそうだが5篇とも安定した文章で読みやすく、内容もイヤミスよりで面白く読んだ。どの話にも嘘つきが登場する。嘘も方便とのことわざもあるが、ここでは許容範囲ギリギリかまたはそれを超えてくる嘘だ。読後に妙な余韻を残す作品集ではあるが私は好き。どれも良かったがやっぱりタイトル作が1番かな。過疎地で育った幼馴染みたちが1人の死をきっかけに20年ぶりに再会し当時の想い出を語り合う。さぁ、嘘つきは誰でしょう。2025/06/17
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