父の回数

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父の回数

  • 著者名:王谷晶【著】
  • 価格 ¥1,881(本体¥1,710)
  • 講談社(2025/04発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065389683

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内容説明

話題のシスター・バイオレンスアクション『ババヤガの夜』の著者が放つ傑作小説集。

父親が死んだという連絡がある。母親は三十年以上前に父と離婚してから、まったく没交渉だった人間だ。葬式を準備する私と母の顔には、「めんどうくさい」という字がくっきり刻まれている(「かたす・ほかす・ふてる」)。

誰にも同情されず、注目もされず、生きる営みを淡々鬱々と続ける人々の心を照らすものとは? 孤独な現代人の心を揺さぶる「ダイバーシティ」ファミリー小説五編。

こんな風に書かれる主人公たちが心底羨ましい。理屈じゃなくて、肌触りが好き。独り占めしたいから読まないでください!
―尾崎世界観(シンガーソングライター・小説家)

全編、順番を付けられないくらい好きです。そして、どのお話にでてくる人も好きです。
共に生きられなくても、あなたを生かしてくれるひとはいるのだよ、と王谷さんが語りかけてくれるようでした。
―町田そのこ(作家)

これはあなたの話であり、わたしの話であり、あなたのすぐ隣で生きているひとの話だ。
―永井玲衣 (哲学者・作家)

つながりは言葉のまえに、そこにあって、じぶんの家族も、本当は名付けられないなにかだ。
本書は家族という最小の社会につけられた、無数の傷を愛そうとするこころみである。
―海猫沢めろん(作家)

この小説たちは、まさに現代の「人間喜劇」(19世紀の文豪バルザックの小説群)だ!―(担当編集)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星群

67
初読み作家さん。5篇からなる短編集。〝人間喜劇〟と銘打ってたけど、喜劇なのかこれはと疑問符が付く。ここで紹介したいのは『リマインド』アルバイト先の同僚をあることから助けるためのタイムループ。なかなか心を開かない彼女に、あなたのためなのよと手に汗握りましたが、結末に置いてけぼりにされちゃいました。2025/08/18

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

66
(2025-101)【図書館本-76】ダガー賞を受賞した王谷さん、初読みの作家さんでした。世の中の「標準」からみたらちょっと変わった「家族」をテーマにした短編集。「おねえちゃんの儀」では同性カップル、「あの子を知ってる?」では家族を放り出し自由奔放な生活をする母などが描かれている。「リワインド」はこの中では異色なタイムリープ物のSF仕立て。表題作の「父の回数」に出て来る父親は最低な奴だな。離婚した母は正解だと思う。事前の印象とはちょっと違ってましたが、話題の「ババヤガの夜」も読んでみようと思う。★★★2025/07/20

itica

61
何だろう、言葉にするのは難しいけれど好きな短編集だった。色々な形の人との繋がりを読んで、でも孤独感を拭えないような寂しさを感じる。地味にじわじわときて、主人公の気持ちを考えてしまう。それはきっといつかは訪れる「死」と無縁ではないと思う。「◀◀リワインド」「父の回数」が印象的。 2025/06/13

もぐもぐ

57
家族にまつわる5つの短編。同性愛女性の同居だったり、ふらっといなくなる母だったり、数十年会ってない離婚した父だったり。家族ってほんと不思議な関係だなってしみじみと。感情表現が繊細で、どれも主人公を応援したくなる話でした。タイトル作はオチが切なかったし、昔のバイト仲間を助けようと奮闘する『リワインド』はドタバタ展開が楽しくて、とても面白かったです。そういえば昔テレビデオってありましたね。 #NetGalleyJP2025/05/05

ひさか

50
小説現代2025年5・6月合併号おねえちゃんの儀、23年10月号あのコを知ってる?、1・2月合併号リワインド、22年5・6月合併号父の回数、24年1・2月合併号かたす・ほかす・ふてるに掲載された5つの短編をものを2025年4月講談社刊。時を何回も巻き戻してやり直すリワインドが楽しかった。本人がたくさんでてくるところが面白く、秀逸。父の回数は辛辣というか、王谷さんらしい展開だが、読後感はきつい。2025/06/28

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