内容説明
かつてない、タワマン文学×恋愛ミステリ!
山下創一は配達員をしながら日々を食いつないでいる。ある日、高級レストランから料理を届ける仕事が入った。依頼人は六本木でもっとも高いタワーマンションの最上階に住む多和田という男で、創一が到着すると、強引に部屋に上がらせた。戸惑う創一だったが、窓の外に広がる地上47階の景色に心を奪われてしまう。さらに、そこに現れた人物に驚く。それは高校時代、密かに想いを寄せていた静香だった。リビングに入ってきた女は「玲良」と名乗り、多和田は自分の婚約者だと紹介した――。
配達員の登録番号「4443番」にちなみ「ヨミ」と名付けられた創一は、金を持て余している多和田の享楽的で奔放な言動に振り回されながらも、誘われるままタワマンに通う。やがて玲良との距離も縮まりだしたころ、多和田は唐突にヨミと自分の「入れ替わり」を提案した。この暮らしを、この景色を自分のものにできるならと交換生活を受けいれたヨミに、多和田は告げる。「約束してくれ。このタワマンから絶対に一歩も出ないこと」。そして、三人の関係は大きく歪み始めるのだった。
彼らのあいだに隠された秘密とは? 太陽にもっとも近い虚飾の密室で起きる恋愛ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
57
配達員の山下が届けたのは高級タワーマンションに住む多和田。 中に通され婚約者の玲良を紹介されるが、それが昔の彼女に似ていることに気付く。 そして多和田に部屋に通うよう言われ、身分の交換の提示を受ける。 いかにも怪しい提案だが、それに乗ったときに、裏の事情を知ることになる。 明らかに不穏な事態であり、次第に危険な状況がやってくる。 どう考えても破綻しそうな展開だが、ラストの意外な落としどころには驚く。 部屋で取っていた行動などの伏線は全てこのためだと気付かされた。2025/06/23
シャコタンブルー
50
タワマンへの憧れは全く無いが、どんな人が住んでいるのかは気になる(笑) タワマンに住む大金持ちとウーマーイーツ配達人との交流が思はぬ方向に進んでいく。映画「太陽がいっぱい」のような展開だったが、一番の違いは青年のみなぎるような野心が無いことだ。だから映画のような緊迫感もなく、淡々と流されるような感覚に陥ってしまった。金の切れ間が縁の切れ目とは・・タワマン住人の現実離れした非常識さに呆れ返るしかなかった。高校時代のエピソードも弱すぎて感情移入できなかったのも残念だった。2025/06/16
sayuri
39
ウーバーイーツならぬウーマイーツで配達スタッフとして働く26歳の山下創一が主人公。ある日、六本木のタワマン最上階へ料理を届けた事がきっかけで、彼の運命の歯車が動き出す。その部屋にいたのは高校時代に想いを寄せていた静香。部屋の主である多和田彗都との入れ替わり生活により静香への想いが再燃し、そして起こるべくして起きた殺人事件。なんとも荒唐無稽なストーリーだがこの物語がどこに着地するのか気になり一気読み。地上47階で行われる狂騒と狂乱。最後に明かされる真実。そっちだったのかー!ぶっ飛んだタワマン恋愛ミステリー。2025/05/15
ヒデミン@もも
37
なるほど、そうきたか。現実のタワマンにもいろんな物語がありそうだけど、こんなぶっ飛んだ物語は珍しい。えー!?とか、はぁーとか思うこともあったけど楽しく読了。2025/05/15
こゆ
28
初読みの作家さん。タワマンで暮らす富豪の元に料理を届けた配達員。なぜか富豪に気に入られ、友人として頻繁に出入りするようになり、ある日二人は入れ替わることになるがー。この富豪の多和田(タワマンに住んでるから?)がまあ頭のネジがぶっ飛んだクレイジーなやつ。主人公の価値観や次第に多和田化していく様にも、同棲して退廃的な生活を送る恋人も、共感も好感も持てず。途中脅迫に来る連中も含めて、いけ好かない人だらけで進行していくのには辟易。彼女の本性はまあ薄々気づいてたけど、エピローグのどんでん返しには素直に驚いた。→2025/08/09
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