裸のネアンデルタール人 - 人間という存在を解き明かす

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裸のネアンデルタール人 - 人間という存在を解き明かす

  • ISBN:9784760156047

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内容説明

かつて地球には、
私たちとはまったく異なる人類が生きていた――

かれらはなぜ滅んだのか? 
美意識はあったのか? 
その精神構造とは? 

現生人類(サピエンス)に都合のいい幻想から脱却し、人間という存在を「ありのまま」に理解しようとする情熱的探究の成果! 

赤道直下から北極圏まで駆けまわり、30年にわたり洞窟の地面を掘り続けた、第一人者にして考古学界の異端児による初の一般書。

“この先で、もうネアンデルタール人を同類とみなさないこと、つまりかれらは私たちの諸側面を投影した存在ではないのだと考えることが、なぜ重要なのかを説明しよう。完全に絶滅したこの人類は、私たちの抱く幻想をすべて足し合わせても及ばない存在なのに、私たちの視線でがんじがらめにされてしまった。私たちはかれらを同類に仕立てあげ、ありもしない姿に作りあげた挙げ句、無理やり歪めている。だから、ネアンデルタール人に固有の異質さを取り戻すためにも、私たちが抱いているおなじみの親しみやすさを取り除かなければならない。”(「はじめに」より)

目次

はじめに

第一章 ネアンデルタール人の正体
もう一つの知的生命体/ネアンデルタール人に立ち向かう/ネアンデルタール人の魂を探る/人間にとってオオカミはあくまでオオカミ……/絶滅/美術は時代の架け橋/さようなら、わが伴侶。大好きだったよ……

第二章 北極圏の冒険譚――マンモスの民からクジラの民まで
氷の世界?/寒さを生きる/広大な北の大地を前に/時間との戦い/極地方初の入植者の足跡/見えざる極地の狩猟民/氷に閉ざされた未知の北極圏文明/極北のエデン?/世界の果てへの逃避?/東方と西方からの北進/極地に避難した最後のネアンデルタール人?/マンモスの民からクジラの民へ

第三章 森の食人種? 
皆、これを食べなさい……/髄まで食べ尽くされた遺骸が出土/食欲とは無関係のカニバリズム/六年の発掘を経て現れた食人の跡が残る遺体/愛、飢え、貪食/数千年来の知識と戦略/逃げて! 逃げて! あれは人間じゃない!/ネアンデルタール人の儀礼? 

第四章 儀礼と象徴?――疑問を検証する
ヒト上科の死。先入観を手放す/時間的断絶/森の民からシカの民へ/ネアンデルタール人の成人儀礼? 

第五章 ネアンデルタール人の美意識
ネアンデルタール人の芸術、儚い思考/幻想の残骸/落書きと意味のない模倣/最後のネアンデルタール幻想の崩壊?/不格好なかかし

第六章 人間という存在を解き明かす
自己認識について/火の記憶について/愛してる、でも私はそうじゃない……/谷から谷への追跡/歴史の断片的な繰り返し/武器を取れ! 相違の出現/二つの人類の基本的構造が明らかに……

結論 この生き物を解放せよ
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

y

2
読み終わってサブタイトルの「人間という存在を解き明かす」に納得。 私にとっては、ネアンデルタール人のあれこれよりも、人間がいかに自分の枠組みの中でものを考えがちかがみに沁みました。2025/07/09

Go Extreme

2
ネアンデルタール人の「他者」性 もう一つの知的生命体 根本的に異なる意識 ネアンデルタール人の魂 ヒトならぬヒト ネアンデルタール人の絶滅 プードルとオオカミの比喩 北極圏の冒険譚 人類初の北極入植 マンモス・ステップ ヤナRHS遺跡と古代北シベリア人 ビゾヴァヤ遺跡とムスティエ文化 極地に避難したネアンデルタール人 森の食人種 ムラ洞窟のカニバリズム論争 儀礼的カニバリズムの可能性 ネアンデルタール人の儀礼と象徴 森の民からシカの民へ 成熟した雄ジカ狩りの謎 ネアンデルタール人の美意識・芸術への懐疑2025/05/24

Ttyhys

1
ネアンデルタール人はこれまで言われたたように芸術的に優れていたようなわけではない。 サピエンスと比べて狩猟用具の作成能力が劣ってたと思われる。 アメリカの原住民がヨーロッパ人によって絶滅された状況と似ているらしい。2025/07/06

takao

0
ふむ2025/07/27

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