動物には何が見え,聞こえ、感じられるのか - 人間には感知できない驚異の環世界

個数:1
紙書籍版価格
¥3,850
  • 電子書籍

動物には何が見え,聞こえ、感じられるのか - 人間には感知できない驚異の環世界

  • 著者名:エド・ヨン/久保尚子
  • 価格 ¥3,850(本体¥3,500)
  • 柏書房(2025/04発売)
  • ポイント 35pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784760156016

ファイル: /

内容説明

わたしたちは、自分の周りの世界がどう見えているのだろうか。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚ですべてを捉えているつもりになっている。しかし、まったく暗いところでも眼が見えるハチ、紫外線(鳥)や赤外線(ヘビ)が見えるもの。色の種類をより多く感じ取れるもの(鳥やチョウ)。あるいは眼の機能が悪いもの(ライオン)。超音波で世界を感じるもの(コウモリやイルカ)もいる。イルカは地中に埋まっている物体まで読み取れる。サンゴ礁では波の音のほかに、テッポウエビがハサミを弾く音や、ブダイがサンゴをかじる音が充満しており、この音が他の生物も引き寄せていることをわれわれは知らない。1つの感覚を取り上げても、さまざまだ。人間はどうしても自分の感覚という制限された世界以外を知ることが出来ないのだ。
 では地球上にいる動物たちの感覚とは一体どのようなものなのか。本書では五感を動物ごとに人間と比べてその違いを明らかにしてゆく。さらに、電気(魚やカモノハシは電場を使って獲物を感じながら狩りをするし、ハチは電気を感じて蜜のありかを判断する)や磁気(鳥は磁気が見えるので渡りが出来る)といった人間には全く感じられない感覚についても解説する。
 われわれは人間中心の感覚でものを捉えてしまう。しかし、動物の感覚にも目が向けられ、かれらが実際にどのように世界を感知しているのかがわかりだしたことで、この世界に対する人間の狭い視野も明らかになってきた。
 環世界という観点から、人間も動物の一部でしかなく、その知覚能力も他の動物と比べると優れていたり、劣っていたりすることがわかってきた。人間中心の感覚から脱却することで、壮大な動物の知覚の世界が見えてくる。この世界にはわれわれが感じているよりも、恐ろしく深遠な感覚世界が横たわっている。

目次

はじめに 五感の外側に広がる世界を旅しよう
第1章 滲み出る化学物質――匂いと味
第2章 無数にある見え方――光
第3章 人間には見えない紫――色
第4章 不快を感知する――痛み
第5章 寒暑を生き延びる――熱
第6章 乱れを読む――接触と流れ
第7章 波打つ地面――表面振動
第8章 あらゆる耳を傾ける――音
第9章 賑やかな沈黙の世界――エコー
第10章 生体バッテリー――電場
第11章 方向がわかる――磁場
第12章 同時にすべての窓を見る――感覚の統合
第13章 静けさを守り、暗闇を保護する―脅かされる感覚風景――脅かされる感覚風景

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

58
まだ七月だが、早くもポール・オースター著の『4321』などと並び、吾輩の読んだ今年のベストの本候補の一冊となっている。  読みながら気になる話があまりに多く、付箋が一杯になってしまった。その一端は下記してみた。素晴らしい本なので、せめて最後の一章である「静けさを守り、暗闇を保護する  脅かされる感覚風景」だけでも読んでみてほしい。  吾輩の感想など、不要だろう。本書の内容案内が的確だ:2025/07/19

こづこづ

12
動物たちの異次元の感覚世界の旅へ誘う本書。600ページにもなるボリュームですが、ひとつひとつの感覚器、動物の世界観に引き込まれ…飽きることもなく夢中に☘️本書を読むことで、私たち人間が捉える環世界も、また変わって行くかと思います。また、人間以外の動物達の環世界を守る為に何をすべきか…考えるヒントにも。2025/05/30

Hiroo Shimoda

4
動物の様々な感覚。光、振動、電場など馴染みないものが多く面白い。虫、魚、爬虫類両生類哺乳類と多岐にわたる。訳も読みやすい。良い本2025/06/13

Sosseki

3
様々な動物の生きている環境や感覚につけて興味深く、分かりやすく書いてあった。またそれを突き止めようとする研究者達の努力や知恵、忍耐も印象的だ。生物の本の最後には昨今か必ずと言っていい程、人間による環境破壊や汚染で世界中のあらゆる生物が絶滅レベルのスピードと規模で減っていることが書かれている。気が重くなる。人間がもっと我慢自制するような動きはないのだろうか。2025/04/22

まーくん

3
動物に備わる感覚:臭い/味/光/色(明度彩度)/痛み(刺激)/感触/圧/振動/音(低周波超音波)/温度(熱)/電場/磁場を多彩な事例で紹介することで、ヒト「視線」での感覚の偏りを改めて認識させてくれた。そして生物多様性を考える上でより広い視野「環世界」の重要性を自覚させられ、人間活動が如何に静寂と暗闇を乱しているか再認識させられた2025/04/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22493641
  • ご注意事項

最近チェックした商品