内容説明
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」幼馴染の島崎みゆきにそう宣言したのは、中学二年生の成瀬あかり。閉店を間近に控える西武大津店に毎日通い、ローカル番組の中継に映るといいだした。さらに、お笑いコンビ・ゼゼカラでM-1に挑み、高校の入学式には坊主頭で現れ、目標は二百歳まで生きること。最高の主人公の登場に、目が離せない! 本屋大賞を受賞した圧巻の青春小説!(解説・森見登美彦)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
232
『島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う』。そんな力強い言葉の先に、『閉店へのカウントダウン』に思いを込める『成瀬あかり』の姿が描かれていくこの作品。そこには、唯一無二の圧倒的な個性を持った『成瀬あかり』をさまざまな視点から浮かび上がらせていく物語が描かれていました。まさしく”青春物語”が描かれるこの作品。そんな物語に圧倒的な存在感で物語を駆け抜けていく『成瀬あかり』の姿を見るこの作品。心の機微が丁寧に描かれていく物語の中に、『成瀬あかり』の突き抜けた個性の魅力を改めて感じもした素晴らしい作品でした。2025/04/23
:*・ さくら華恋 ・*:
71
単行本で2回読んでるのですが文庫版も購入しました、何回読んでも成瀬はいい、私は成瀬より30歳も年上のおばさんだけど成瀬みたいに生きたいと思います、単行本もまだまだ売れてるだろうに早々と文庫版を出したのも凄いと思います、文庫版が出た事で成瀬を読んだ事がない人にも成瀬を読んで欲しいと思います。2025/06/26
たいぱぱ
70
完全にやらかしました…。モリミーの解説にスマホ用壁紙、初収録のエッセイ「大津ときめき紀行 ぜぜさんぽ」、そして文庫本初版限定特典「琵琶湖ブルー」スピンが目的でした。宮島さんと成瀬が一緒に膳所を歩く「ぜぜさんぽ」では、滋賀レイクスターズの飛び出し坊やも含め、僕が聖地巡礼した場所が全て登場して興奮!モリミーのあとがきをトークショーを思い出しながら楽しむ。あれ?一番楽しみにしてたスピンオフの「琵琶湖ブルー」がない…どこにもない。なんで?ありゃま!帯を見直してはじめて気付く。スピンオフじゃなくてスピンかいっ!!2025/07/11
ぼっちゃん
59
文庫の2大特典 初版限定琵琶湖ブルースピンと成瀬とめぐる「ぜぜさんぽ」収録+サイン本だったので単行本は持っているが買ってしまった。「ぜぜさんぽ」は昨年のゴールデンウィークに成瀬のスタンプラリーに参加したところが色々紹介されていたので懐かしかった。新潮文庫のスピンは基本茶色だが、こんな色々な色のスピンがあっても良いなと思うがコストがあがるのかな。【サイン本】2025/07/05
piro
54
冒頭の一行でまんまと引き込まれ、楽しくて一気読みでした。地元のデパート・西武大津店の閉店から始まる連作短編集。滋賀県大津市の膳所を舞台に成瀬あかりの活躍(?)を描く作品は、評判通りの面白さでした。とにかく成瀬あかりが型破りで楽しい。でも、ふと我に返ってみると、周囲の人を気遣うことができる所がまた成瀬の魅力ですね。幼馴染の島崎みゆきとのコンビ「ゼゼカラ」は最強だ!今すぐ大津に行きたい気分です。因みに膳所、私は昔から読めましたよ(笑)。2025/07/04