内容説明
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」幼馴染の島崎みゆきにそう宣言したのは、中学二年生の成瀬あかり。閉店を間近に控える西武大津店に毎日通い、ローカル番組の中継に映るといいだした。さらに、お笑いコンビ・ゼゼカラでM-1に挑み、高校の入学式には坊主頭で現れ、目標は二百歳まで生きること。最高の主人公の登場に、目が離せない! 本屋大賞を受賞した圧巻の青春小説!(解説・森見登美彦)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
822
文庫化を機に手にとった。ここまで広く読者から賛辞を得ている本は、自分にとっては中~中の上くらいの評価に留まることが多く、この作品もそのパターンで、決してつまらなくはないけど深くは刺さらない類。なんとなくすごい感ある浮世離れしたキャラクターと、滋賀県大津市というどマイナー地区のマッチングの妙。それに加えての台詞まわしの上手さで、まさに天下をとりに行かんばかりの勢いを出した一冊。小説なのでもちろんそれでいいと思うし、しっかり面白いけれども、もう少し山場がほしいと感じてしまうのは、単に私の好みの問題。2025/07/25
さてさて
497
『島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う』。そんな力強い言葉の先に、『閉店へのカウントダウン』に思いを込める『成瀬あかり』の姿が描かれていくこの作品。そこには、唯一無二の圧倒的な個性を持った『成瀬あかり』をさまざまな視点から浮かび上がらせていく物語が描かれていました。まさしく”青春物語”が描かれるこの作品。そんな物語に圧倒的な存在感で物語を駆け抜けていく『成瀬あかり』の姿を見るこの作品。心の機微が丁寧に描かれていく物語の中に、『成瀬あかり』の突き抜けた個性の魅力を改めて感じもした素晴らしい作品でした。2025/04/23
さくら華恋
362
単行本で2回読んでるのですが文庫版も購入しました、何回読んでも成瀬はいい、私は成瀬より30歳も年上のおばさんだけど成瀬みたいに生きたいと思います、単行本もまだまだ売れてるだろうに早々と文庫版を出したのも凄いと思います、文庫版が出た事で成瀬を読んだ事がない人にも成瀬を読んで欲しいと思います。2025/06/26
ハゲおやじ
352
初読みの作家。2024年本屋大賞受賞作に踊らされて読む。成瀬あかりの現代では真逆の生き方に違和感を覚えつつも 根底にある”郷土愛”に感動。構成も あかり中心では無く 地元人のパートや同級生から視点もあって 飽きさせない…って 歳を取った私には異質な/異常な あかりに映るね。かえで の様な人が90割を占めるであろう現在では(私も)あかりはフィクションの世界の住人なんだよね。でも、次作も好評の様で 作者の郷土愛が読者に受け入れられた結果なんだろうなぁ(本作を否定している訳じゃないけどね)。西浦がんばっ!2025/07/21
かわうそまん
304
2024年の本屋大賞受賞作。文庫化されるのを待ってたやつ。一風変わった成瀬を成瀬本人の視点や幼馴染の視点、クラスメイトの視点などいくつかの視点でとらえた短編集。強さというかマイペースさというか独特さというか・・・が押し出されて終わりかと思いきや最後の「ときめき江州音頭」で見せた脆さ。あー成瀬にも普通の女の子、普通の人の側面もあるんだなと感じさせられ、一方的な成瀬痛快ストーリーに終始しなかったことで、より作品を魅力的に感じた。2025/07/20
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