内容説明
内閣府各種委員会委員、厚生労働科学研究を担う研究者として、1990年代から今日まで医療介護制度改革に関わってきた著者による日本の公衆衛生政策への提言。DPC、地域医療構想、地域包括ケアシステム、介護保険などに関わる著者の経験と実践を軸に、90年代以降現在までの制度変遷をたどり、公衆衛生政策学の今後を展望する。
目次
はじめに
第1章 私が経験してきた公衆衛生学
1 公衆衛生学との出会い
2 転機1:フィリピンでの挫折
3 転機2:疫学・医療統計学での挫折
4 転機3:京都大学での知的刺激
5 転機4:フランス留学
6 転機5:Walter Holland先生との出会い
7 転機6:日産科学振興財団からの研究助成金
8 転機7:DRGの国際比較研究とDPC研究
9 田中滋先生,二木立先生との出会い
10 公衆衛生学の面白さ
第2章 公衆衛生医学と公衆衛生政策学
1 公衆衛生医学─日本ではだれが一番の公衆衛生実践の担い手なのか
2 公衆衛生政策学
第3章 公衆衛生政策学をどのように理解するのか
1 歴史的な視点から公衆衛生政策学を学ぶ─精神保健医療を例として
2 現場を見学する
3 社会科学・人文学の本を読む
4 数学と統計学を学ぶ
5 海外で学ぶ
6 現実を直視する
第4章 公衆衛生政策研究における疫学の活用
1 なぜその問題を研究するのか? 社会医学の視点からのリサーチクエスチョン
2 自殺研究
3 機械学習による追加分析
4 分析結果を踏まえた政策提言の作成
5 まとめ
第5章 ソーシャルデザインの科学と実践としての公衆衛生学
1 DPCプロジェクト
2 地域医療構想
3 医療と介護との連結分析
4 地域包括ケアシステム
5 日常生活圏域ニーズ調査
6 農作業de元気プロジェクト
7 特定健診・特定保健指導の医師会モデル
8 日本の介護をアジアの標準にする
終 章 公衆衛生政策学を志す若い方々に期待したいこと
1 医療介護情報の可視化─DPCの精緻化・一般化
2 地域包括ケアシステムの具体化
3 アジアで活躍できる人材
4 ソーシャルビジネスの担い手としての公衆衛生専門職
5 プロフェッショナルをめざす
6 未来から考える
7 人間の尊厳に対する意識を持つ
コラム
1 学校保健実習
2 学会には参加しましょう
3 労働下宿
4 研究のマネジメント
5 訪問調査
6 本屋での宝探し
7 語学
8 疫学研究における問題意識の重要性
補論1 統計学の学び方
1 統計学の考え方
2 一般線形モデル─私が考える統計学学習の肝
補論2 AHP(Analytic Hierarchy Process: 階層分析法)の概要
補論3 事例調査
1 事例1 あさかホスピタルグループ─精神障害者を支える医療・福祉・社会復帰の一体的サービスの展開
2 医療介護情報共有の先進事例─函館道南MedIkaプロジェクト
3 道東勤医協釧路協立病院
4 カナダ・ケベック州 Jewish General Hospitalにおける家庭医の活動
補論4 計画策定の考え方
1 何のために計画を策定するのか
2 日本における政策決定の問題点と課題─審議会・委員会方式の限界
3 計画作成の基本知識としてのソーシャルマーケティング
4 2つのEBPHP─知見に基づく公衆衛生行政と経験に基づく公衆衛生行政
5 地域住民を主体とした健康づくり計画の可能性─コンセプトメーキングの重要性
おわりに
事項索引
人名索引
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