内容説明
かつてのパトグラフィ(病跡学)が芸術家・歴史的人物・天才の病的な側面に焦点をあててきたのを改め、サルトグラフィは、〈彼らがメンタルヘルスの課題を抱えながら、どのようにして健康を維持しながら、どのような言動をなし、どのようにして創造的活動を行ったのか?〉についてのポジティヴな人生の物語を語り直すための新しいアプローチである。本書では、漱石研究とマンガ研究(『ブラック・ジャック』『ゴールデンカムイ』『絶望に効くクスリ』『ブルーピリオド』)で、このサルトグラフィを試み、極めることによって、これまでの精神医学モデルに替わる、新しいメンタルヘルス・サービスモデルを提出する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
neimu
35
専門用語や医療系の話に難解さを覚えるかもしれないが、熟読する必要はなく、興味関心のある所だけ読んでも面白い。漱石とブラック・ジャック関連だけでも、文学論として読み応えはある。病歴・病状にこだわるか、そこから創造されるものに関心を持てるか、前向きになれる要素を見出せるかどうかという観点から読めばいい。医療・精神医学・心理学だけに焦点を当てなくとも、読書療法的にこだわらなくても、人は病と共存しなくては日々生活していくことはできない。必然として受け入れ、良くも悪くも意味を見出すことは認識を変える端緒となる。2025/10/27
よしどん
6
正直自分には内容が難しすぎていくつも読み飛ばした。漫画のところはアニメで見たことのあるものは少し話が見えたので、そこだけは集中して読んだ。一応読んだのだが、たぶん何もわかっていないだろう。たまにこのように歯が立たない読書をすることがあるが、ほんのちょっとでも経験値があがっているといいなと思う。2025/09/21
Go Extreme
2
健康生成学 病理学からの転換 サルトグラフィ ポリヴェーガル理論 腹側迷走神経 背側迷走神経 不動化とフリーズ メンタルヘルス課題 レジリエンス 実存的葛藤 心身の結びつき 安全感と安心感 神経系の階層構造 創傷からの癒し 人間関係の再発見 内面との対話 人生の意味 困難での尊厳 心理的安全性 回復力の引き出し 健康への力 実存的課題 対人関係の困難 人生の方向性 表現の喜び 成長のプロセス 苦悩への向き合い 人生の深み 診断の限界 尊厳ある生き方 複雑な経験 限界の認識 生き続けることの豊かさ2025/11/23




