内容説明
介護甲子園最優秀賞受賞。
慢性期疾患の患者と家族を救う、
その独創的なケア手法。
人工透析を行っている糖尿病患者をはじめ、脳卒中で体が不自由になった患者、認知症を患う患者など、
重度の慢性期患者に行っている臨床心理士を主体とした、介護や治療の方法について取り上げる。
(1)親がこれまでに歩んできた人生の物語を家族がいっしょに振り返る→(2)親のことを理解できる→(3)親が望む介護や看病ができる→(4)親が生きることに前向きになる→(5)リハビリの効果が上がる→(6)病状が改善する、という理想的なスパイラルを生み出せることを提示する。
目次
はじめに
第1章 本当の「患者中心」──医療があるべき姿とは
+ 医療の仕事は「病気を治すこと」だけではない
+ 自分の家族を預けられるケアをすべき
+ 「よい病院」とは、そこで過ごす時間の質が高い病院
+ 入院している月日もまた日常である
+ 理想は「世界最高のホスピタリティ」
+ 顔のない医師と顔のない患者
+ 「その人を見てケアをする」ということ
+ 理想の見送り方は「人として最期まで」
+ 物語としてその人の人生を受け止める
+ 富家病院として「ナラティブ」を取り込んでいく
+ その人のありのままを見つめて医療人として向き合う
第2章 超高齢化社会に必要とされる「ナラティブ・ホスピタル」
+ 慢性期病院として最高水準のスペックを誇る富家病院
+ グループ施設も「楽しんでもらえる」つくりに
+ 一人ひとりの人生(ナラティブ)に興味を持つこと
+ その人の物語(ナラティブ)に参加する
+ ナラティブの階段、ナラティブ・ムービー
+ 「仕事が増えた」「面倒くさい」はマネジメント次第で解消できる
+ 現場のスタッフが家族を預けたい病院か?
第3章 新しい理念が現場に深く浸透していくまでの軌跡
+ スタッフ一人ひとりの意識改革がナラティブ浸透の壁
+ スタートは看護の現場から
+ 富家病院らしい「ナラティブ」を立ち上げる
+ 強制せず、心をいかに変えていくか
+ 「一人ひとりの真実」を掘り起こすカギを握る臨床心理士
+ ナラティブ・ホスピタルにおける臨床心理士の役割
第4章 ナラティブの価値を証明した「介護甲子園」最優秀賞
+ 介護の現場でのナラティブ
+ 介護甲子園とは何か?
+ 「最初は偵察して様子をみよう」のはずが……
+ エントリーの過程で見えてきたもの
+ 結果よりもプロセスに成長のカギがある
+ 「人を見る」ことでリスクが取れるようになる
第5章 ナラティブは関わる人の心を変える
+ ナラティブで日常業務にも日々の変化を意識できるようになる
+ 「何かしてあげたい」思いを思いのままで終わらせない
+ ナラティブが入居者の止まった人生を前に進める
+ 患者をリードするのではなく、患者に伴走する意識でリハビリを手伝える
+ 変化の喜びを分かち合う情報発信源として立ち位置を見出す
+ ナラティブ・ノートを通して「全員の温かい気持ち」を事実として共有できる
+ 「富家千葉病院らしい」ナラティブ・ホスピタルをどのように作っていくか
おわりに
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