内容説明
迷惑なの! と言われても。
昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢に孫自慢。
そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。
双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。
彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏(クインテット)は絶好調。
「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。
『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾!
定年、終活、人生のあとしまつ……。
自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。
「最近の若い人は……」というぼやきが今や「これだから『老害』は」となってしまった時代。
内館節でさらなる深部に切り込む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
39
前半の老人たちの現役時代の自慢話や、病気自慢がちょっとうんざりしかけたところで、反撃に転じるところが面白く、最後まで読めた。そう遠くない自分に重ね合わせて考えさせられた。2025/05/25
ゴルフ72
21
兎角老人は面倒くさい・・・同じことを何度も何度も言いている。福太郎もだ!でもそんな彼らが時代を作ってきた。ものが無かった時代を作り上げてきた。それがあったから今の自分たちがいるしそれを土台に未来もある。そんなカッコいいいことを書いてはいるが、やっぱり面倒くさいのが本音だけど尊敬もしているのは事実です。2025/06/03
紫の煙
14
老人=高齢者、65歳から老人と呼ばれるのだろうが、そこからの人生が長い。老害と呼ばれようとも、介護される老人になるよりは余程まし。どんな人生を生きた人でも、老人になるのはみんな平等だから、万人が読むべき小説。2025/05/22
koishikawa85
5
とても面白かった。最初は老人たちのうざさがたっぷり描かれ、その後応援したくなっていくあたり、ありがちだけどうまいなあ。2025/05/24
Azumax
3
過ぎてしまえば人生はあっという間と老人は感じるが、経験のない若者からすると未知の世界。老人の域に達するまでは時間がかかる。 永遠にお互いが分かり合うことはない。と考えると好きに生きるのが一番なように感じる。2025/06/03
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