内容説明
「僕のつま先を車で轢くという遊びをしていた父をモデルに書きました」
大好きな母、ふんわりしたおばあちゃん、無二の親友――。
守りたかった。離れないでいてほしかった。
これは、傷を抱えたぼくが「笑い」に出会い「夢」へと走り出す物語。
岡山県の小さな田舎街。小学生のぼくは、理不尽で自分勝手な父に振り回されてばかりだった。自分の心と大好きな母を守るため、勇気を出し父にある言葉をぶつける。純粋な願いを聞いた父は改心すると思っていたが……。苦しくて悔しいのにどこか笑える家族の日常を描いた、「かが屋」加賀翔の初小説!
「なぜか、涼やかな風が吹きとおった。
うつむくと胸もとに、
ビール缶みたいな穴がまんまるく空いていた」
いしいしんじ
「私もこの絶望を知っている。悔しくて恥ずかしくて、それでもまた期待してしまう。そして当然に裏切られる。
少年には憐れみも情けもいらなかった、笑いとなることだけが救いになった。
自然をかき分けて歩き続けた日々を、カエルのぬいぐるみと一緒に抱きしめたい」
吉澤嘉代子
「理不尽な父の言動に早く大人になるしかなかった少年が、生きる。
苦しくて、優しくて、悲しくて、笑えて。
岡山の鮮烈な言葉がざくざく刺さる、とてつもない小説です!」
東 直子
「読みだした時は、相方だからか照れ臭かったのですが、
気付いたらいつの間にか、悲しくなったり、思わず吹き出したり、ムカついたり。
皆、幸せになって欲しいです」
「かが屋」賀屋壮也
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
142
破天荒というか滅茶苦茶というか、理不尽という言葉が似合うとんでもない父さんだ。こんな父さんがいたら嫌だと思う人はいっぱいだと思う。ホントに“おおあんごう”(岡山弁で大馬鹿者)だ。そんな父さんを親に持つ大地は、グレることなく育ったものだ。大地は母さんに似たのか、お笑いへと目指す道が必然だったのかもしれない。それにしても、大地の母さん、何があっても笑い飛ばして、あっけらかんとしてるけど、あの一言は強烈で、ああ、やっぱり心の中では腸煮えくり返ってたんだ(笑)。ぶっ飛んだ家族物語であり大地の成長物語。2025/05/21
林檎
12
本屋さんでみつけた『かが屋』の加賀君の本。破天荒な父に振り回され傷付けられながらも、母や祖母、親友に支えられ成長していく草野少年のお話。子供らしい真っ直ぐな気持ちや心の動き、行動がとてもリアルに書かれていて、加賀君の中に残るピュアさが表れているんだろうと感じた。あくまでフィクションとの事だけど、ノンフィクションがどの程度含まれてるのか気になってしまう。2025/05/23
アジツー
9
★★★☆☆ コント師の中でも3本の指に入るくらい好きなかが屋の加賀が実体験をもとに書いた小説。サイン本だったので購入。酒に溺れる“おおあんごう(=岡山弁で大馬鹿者みたいな意味らしい)”な父親に振り回される話で、可能な限りポップに描かれているが、なかなか胸が苦しいお話でもあった。というのも、自分の父親が重なる部分があったからで笑 こういう親子もあるし、血の繋がりは絶対じゃないと示してくれた気もして、あとがきも含めて私的には好きな終わり方。 ちなみに私の地元北海道の方言では“たくらんけ”が近い言葉です。2025/08/11
くま
4
お笑いコンビ「かが屋」の加賀さんデビュー作。子どもの頃の加賀さんがとても想像できて、第三者的にはとても面白く、当事者的にはとても辛い環境で過ごされたんだなと。私の祖父もお酒を呑んでしまうとこの小説のお父さんのようなところがあり、大地の思想・行動には共感でした!サイン本N-13。2025/08/16
しあわせタマゴ
3
健気な幼少期の草野大地に愛くるしさを感じました。 彼が伊勢くんに出会えて心から良かったと思った。 破天荒なお父さんは憎めないキャラだった。 唯一の親友と励まし合って、両親が離婚しないように子供なりに頑張ろうとしたりするところが心打たれました。少し自分の幼少期と重ねて涙しました。 親が喧嘩するだけで子供ながらにドキドキして、離れ離れになってしまうんじゃないかと不安になっていたなぁ。2025/05/02