内容説明
少年のロクはある晩、盗みに入った家で主人の夏目金之助に見つかってしまう。しかし金之助はロクを新しく来た書生と勘違いしたようで、そのまま夏目家で生活を共にすることになり……。(「夏目家どろぼう綺談」) 離婚して実家に出戻った君江は、路上で猫を拾い可愛がる。しかしその猫は高名な小説家・内田百閒の飼う「ノラ」だった。失踪した愛猫を探し東奔西走する百閒のもとへ、ノラを帰そうと試みるが――。(「内田家うらない綺談」)テレビ朝日新人シナリオ大賞を受賞した脚本家が描く、猫を愛した文豪たちの心温まる物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
42
面白かったです。夏目漱石『吾輩は猫である』、内田百閒『ノラや』の誕生を描いた2編の物語でした。フィクションではありますが、本当にこうして物語ができたのかなと思わされます。最後に猫目線になって締めくくるのも良いですね。心がほっこりしました。2025/07/09
いのくら
3
最初出だしが誰が中心に話が進んでいくのかわからなくてなかなか物語に集中できなかったが、66ページを過ぎた頃から急に面白くなった…!あの急に物語に引き込まれた感覚は!そこからは一気に読んでしまった。後半も同じく先が気になって最後まで一気に読んでしまった、猫の行方が気になって笑2025/05/30
青木
3
有名な夏目漱石「吾輩は猫である」、内田百間「ノラや」の作品が出来る経緯を物語にした2編。 ストーリーはフィクションだけど、心温まる内容で最後は猫目線で締められていて人も猫も救われる結末でホッとする。2025/04/20
ひでまろ
1
★★★★2025/07/25
にゃんこ先生
1
猫を愛した文豪を取り巻く優しい人々の物語。猫もいい感じに絡んでくる。元ネタを知ってるとニヤニヤ感が増す。2025/05/10