内容説明
★「才女のお世話」の坂石遊作が描く、悲しくも美しい学園ファンタジー★
最初に話しかけてくれた英雄を殺した。同じクラスになったばかりの異能力者を殺した。殺した、殺した、躊躇もせずに。彼らが、不正を犯したから。僕にも、叶えたい願いがあるから。
「それでは、ミコト様。たくさん殺してください。たくさん裁いてください。それが粛正者(あなた)の役割です」
あらゆる世界の英雄たちを死後に集め、次代の神を決めるための学園。過酷な試験を乗り越えた一人の生徒のみが卒業を許され願いが叶えられる一方、脱落者は世界から完全に消える。異能も持たず英雄でもない元暗殺者・ミコトはクラスメイトに正体を隠したまま違反者を処刑していく。しかし、誰をも救いたいと願う、心優しい聖女・ルシアとの出会いが少年の行動原理を変えてしまう。
「――お前が正しい心を持つ限り、僕はお前を護ってみせる」
聖女を神の座に導くため、少年の暗躍が始まる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
50
面白かった〜!! シンプルな構成ながらも綿密に練られた構成にどんどん引き込まれていきます。そんな中で繰り広げられる英雄たちを容赦なく篩にかける試験はデスゲーム特有の緊張感があり、粛正者同士の駆け引きはワクワクが止まらない。一方で、ミコトの運命を変えた恩人と同じことを言う少女との出会いの先にあるものは果たして救いか破滅か。まだまだ謎が多く、これからどんな物語が紡がれるのか期待ばかりです。2025/04/14
よっち
29
あらゆる世界の英雄たちを死後に集め、次代の神を決めるための過酷な試験に挑む学園。暗殺者だったミコトが密かに粛清者に任じられる学園ファンタジー。乗り越えた一人の生徒のみが卒業を許され願いが叶えられる一方、脱落者は完全に消える過酷な試験。誰もが願いを抱き様々な思惑が渦巻く状況で、有力候補ですら立ち回りを間違えればあっさり脱落する中、正体を隠したまま違反者を処刑していくミコト。彼の願いの謎も気になるところですが、心優しい聖女ルシアとの出会い、陥れられた彼女を守り抜く覚悟を決めていく展開はなかなか良かったですね。2025/04/11
和尚
28
面白かった。設定も面白かったですし、その上で各キャラ達、メインも脇のキャラたちも(誰がメインで誰が脇かも迷うほど)良かったです。 様々な世界の英雄と呼ばれた人々が集められた死後の世界。舞台は学園。目的は次代の神様を選ぶため。 続きが楽しみで、その上で一巻の読み応えも良い作品でした。学園暗躍系が好きな方には特におすすめです! 2025/04/21
わたー
25
★★★★★面白かった。著者の作品はシリーズ毎にテイストが異なるのだが、確かな筆力がその下敷きにあるのでこの作品も例にもれず非常に読みやすかった。次代の神を決めるため、様々な世界から英雄としして死んだ人たちを少年少女の姿で集め、最後の一人になるまで試練が与えられるデスゲームの亜種が舞台。主人公はルール違反を犯した人物を裁くことのできる役割をあてがわれ、試練に参加しながら違反者を処分していくのだが…という内容。生前は暗殺者であった主人公はその技能によって粛々と仕事をこなしていくのだが、2025/05/12
真白優樹
18
あらゆる世界の英雄が集められた死後の世界の学園で、ルール違反者を狩る少年が、異世界の聖女に出会い始まる物語。―――見出した希望を守り抜け、その粛正の刃で。 己の目的のために淡々と違反者を狩る中、聖女との出会いでそこに変化が生じていく物語であり、誰もが皆ライバルで闇が時に交錯する中に己の思いを貫いていく、悲しくも熱い面白さがある物語である。これからも守ることを決めた、その先に待っている未来とは。少年の願い、師匠の復活。そこに必要な力はあまりにも多すぎると言う秘密は明かされるのか。 次巻も勿論楽しみである。2025/04/10