内容説明
ゴンクール賞候補作。謎の多い夫婦旅行を描く文芸スリラー
妻と関係修復のためにシチリア島タオルミーナを訪れたメルヴィルは、レンタカーで宿に向かう途中「何か」に衝突する。事実から目を背け、最悪の選択を重ねる男の行く末は。陰気で、不穏で、スリリング……ジョルジュ・シムノンの後継者と名高い著者が放つ怪作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
39
読み終えてから思わず唸り声を上げてしまった。率直に言うと感心と疑問、両方が込められた唸り声である。シンプルな筋立てに牽引力ある筆運び、これは見事だと言わざるを得ない。”カフカ的不条理劇”と言われれば、逃げ場のない悪夢感と現実の生々しさを強烈に意識させるあの結末にも味わい深さを覚える。しかし、フランスの名だたる文学賞(三大有名文学賞すべて)の候補に選ばれたと聞くと疑問符がつく。一体、この作品のどこがそこまで評価されたのか?と。間違いなく読ませるが同時にモヤモヤも残る奇妙な作品だった。他の人の感想を待ちたい。2025/04/11
練りようかん
19
タイトルと訳者きっかけ。ヴァカンスでシチリア島に着いた夫婦。人生の分岐を思わせる不穏、車内で感じた大きな衝撃。判断を狂わせたその前の判断が何だったのかが徐々に見えてくる遡り式スリラーだ。筋が通ってないよと言う夫こそ筋が通っておらず、夫は点で妻は線で考えるのが面白い。人はある地点まで行くと引き返すことはできない。幕引きの唐突感と皮肉が強烈だ。約150頁と短いのだけど、時系列の前後や言い争いの論点をずらしながら肝心なところをスッとばす絶妙なリアルが、この分量だからこその切れ味となって巧さを感じた作品だった。2025/06/10
石橋陽子
15
不穏で落とし所のないこの作風をなんと表現すればいいのだろう。不仲な夫婦が車でバカンスに出掛けるのだが、車内での会話はかなり冷えきった問答。何を言っても、あなた何言ってるの?今のこの状況分かってる?というように、抑揚もなく、上からくるし、相手も冷たくあしらう。夫婦こうなったらお終いだなと思う一方、誰かを轢いたかもしれない疑惑をなかなか確かめずうずうず。話しは進展しないが車は進む。大事なことには迂回。こういうのをノワール小説というのかな。謎に終わったがいつまでも心に残りそうな作品。2025/06/19
Tomio
2
文芸作品は不得手。 セリフも行動も思惑も「」なしのままつらつらと語られているのは苦手。 旅先で人身事故を起こす怖さは伝わった。 人として正しい行動を取りたいが、出頭に怖気付く気持ちもわかる。 絶対にこんな事になりたくない、常に安全運転で参ろう、と堅く心に誓った。2025/07/29
こゆき
2
え、これで終わり?という感想でしかない。2025/07/23
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