内容説明
開花の準備に一年もかけるサクラ。
育てる人にやさしい声をかけられた園芸植物。
触られて葉を閉じるオジギソウ。
暗い中でも上へ上へと伸びるモヤシ。
金鉱脈を「探し当てた」ユーカリ。
あの植物たちの思いとは!?
ベストセラー『植物はすごい』著者による、
植物の驚きの生き方を学ぶ最新刊。
~「はじめに」より~
私の専門は「植物生理学」というもので、「植物の生き方」を対象とする分野です。そして、私は、「植物たちは生き方の極意を知っており、たくましく命を守って生きているということを、多くの人に知ってほしい」と思っています。そのため、植物に心や心意気、気持ちを感じる事例を紹介する機会をいただくことは嬉しいことです。もし、それが読者のより良い人生や生き方につながるのなら、望外の喜びになります。
※カバー画像が異なる場合があります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
111
田中先生の本は、いつも平易な言葉で植物の凄さを教えてくれる。何より、先生の植物への愛情――というより尊敬が伝わってきて、温かい気持ちになる。植物は「動き回ることができない」のではなく「動く必要がない」んだ。種の多様性を確保するために自家受粉を避ける様々な工夫、春に花が咲く理由、紫外線に負けない工夫、食べられない工夫、冬の野菜が甘い理由…など、植物たちの懸命の生き方が紹介されるが、それは、恰も「植物たちに心がある」ようだという先生の思いが本書のタイトルである。読み終わって、心がチョット優しくなった気がする。2025/05/26
Micky
6
“こころはあるか!“ときたもんで、オォッコレは期待出来る新説か?で即購入。植物の生き方、子孫を残すメカニズム、命をつなぐ体の機能を擬人化して著している。ということで本書の内容は目新しくはないが、植物の生態についてはわかりやすく、時折なるほどね、と思うところはある。結局❤️については言及せずじまいだけど、普通に考えて、残念だけどないな。2025/04/18
ぽけっとももんが
4
「はじめに」で種明かしされているけれども、編集者からまずこのタイトルで書いてほしいと提示があったのだとか。だからちょっと牽強付会ではある。わたしは本当に植物の心について研究がなされているのか、と手に取ったのだけれども、ま、そんなことはないよね、愛なき世界だもんね。とはいえ、植物は移動できないのではなく移動する必要がないのだ、餌を取らなくても光合成すればいいし、相手を探し回らなくても風や虫たちが受粉や種まきをしてくれるから。なるほど、おもしろーい。2025/08/13
Go Extreme
2
植物の心有無の探求 植物の心意気 気持ち えらい かしこい植物 背丈伸び調節 フィトクロム 水分屈性 水求め伸びる根 植物の驚異的根性 気孔開閉 水 光合成ジレンマ 自家受粉回避の仕組み 花粉媒介 不安と戦略 自家受粉 保険的子孫継承 有性 無性生殖 両刀遣い 種子 耐え忍ぶ生命力 葉の汗 蒸散冷却効果 夜長感知 冬の到来予知 越冬芽 冬への備え 春化処理 冬の寒さ要求 紫外線対策 抗酸化物質 捕食と共存の植物戦略 種子発芽時期選択の賢さ 桜開花 一年がかり 合格電報 サクラサク 植物との共栄の世界希求2025/04/27
しうまい
1
植物の機能や進化について「心」という言葉を使ってわかりやすく解説した本なのだろうけれど、植物の気持ちのアテレコがちょっと性格悪いのが気になるところ2025/07/14