内容説明
韓国の子持ち高学歴女性は労働市場から退場していく。社会は有能な人材を失い続け、母親たちは代わりにわが子の教育で競争に参戦する。男性本位の職場、個人化されたケアを解体するために何が必要か。スウェーデン、アメリカとの比較から考える。
目次
プロローグ 図太い女の社会
1 「平等な競争」という幻想
2 女性に「学歴プレミアム」はあるか
3 母になるのは拒否します
4 より多くの女性が働けるように
エピローグ 機会の平等を論じる
補論 日本の「働けない女たち」へ(チェ・ソンウン)
解説 手を取り合える日韓の女性たち(中野円佳)
訳者あとがき
ブックガイド――「女が働くこと」を考える
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
練りようかん
15
働くことと産むことの両方をのぞむ人は図太いと言われる韓国。政策が効果を上げない実態と女性が疎外されざるを得ない理由を、アメリカやスウェーデンと比較しながら書かれていて、学歴競争と深刻な少子化は負のループに、1970年代からの長時間労働の礼賛が今も続いていることに驚き、公的機関で女性・児童政策を担当するチェさんのキャリアと家庭育児に挫折感と罪悪感を抱き続ける日常に足が竦んだ。なんでこんなに辛いのか。中野円佳さんの解説が答えの1つに思え、視座の勉強になった。コロナ禍の涙「私へのケアが見当たらない」が印象的。2025/11/01
もけうに
5
韓国における女性の労働問題を扱っているが、日本ともかなり共通点がある。むしろ日本の方が悪いのでは?という部分も。スウェーデン・アメリカとの比較も興味深い。北欧=男女平等で素晴らしい!というイメージが強いが、職種が公的な部分に偏る等、問題点もある。アメリカは福祉が弱いからこそ、能力があれば男女平等に職種進出できる。ケア労働が女性に偏っていることは心底改善すべき。家族のケア労働に明け暮れ、自分がコロナに罹ると誰もケアしてくれない筆者及び多くの女性を想うと涙が出る。2025/08/10
オレコ
5
韓国で女性や子どもの政策立案関わっている研究者が、その研究を通じてまた自身の子育てと仕事の両立体験に基づいて書かれた本。韓国と日本の女性労働という点はすごく共通点が多い。女性は高学歴であっても結婚出産で仕事から離脱すれば中々復帰出来ず、またそれを見越して企業も投資しない。働き続けるにしても負担が大きいので子どもは持たない。自分も国家資格を取得したのに結婚時に夫とその両親から専業主婦になる事を強要されたので、激しく頷きながら読んだ。どちらかといえば男性に広く読んで理解してほしい本だ。読まないだろうけど。2025/08/06
nekomurice
4
お給料がほぼ保育料に消えたこと、小学1年生問題、低学年の夏休みやら、大変だったことを思い出して苦しくなった。著者のように高学歴な女性ならなおさら仕事と子育ての狭間で苦しいと思う。*女性の雇用問題が解決されていないのに、出生率が高くなるはずがない。2025/07/11
Go Extreme
2
https://claude.ai/public/artifacts/bd23755e-2bc2-4556-ba76-47a6538fa9dd2025/06/11




