内容説明
東京での日々をみずみずしく綴るエッセイ集。プールの底の静けさ、上京の朝、夏が近づくベランダ。やさしく切なくあたたかい、きらめきの記憶たち。
家族の食卓、上京した朝、あの夏の恋――。レコーダーを再生するように記憶が溢れ出す。
「ともだちになりたいような本、ここにありますよ」(糸井重里)
「たまご雑炊をレンゲで少しずつ口に運んでるかのような一話一話の味わい。ぼくの大好物です」(麒麟・川島明)
糸井重里氏、麒麟・川島明氏推薦!心の機微やノスタルジーを繊細に描く文章に定評があり、Webメディアを中心に人気を集めるエッセイスト 中前結花の初エッセイ集。
書き下ろしを含む全14編を収録。装画、挿絵は、イラストレーターの北村人。
「どんぐりを拾うみたいに、プールのなかで宝探し遊びをするみたいに、ビービーダンを集めるみたいに。とりとめもないけど、わたしにはきらきら光って見えたもの。そんなものを集めてそっと書いてみようと、この本はそういうわけなのです。」(「はじめに」より)
【著者】
中前結花
兵庫県生まれのエッセイスト・ライター。3歳から絵日記で毎日をつづり始める。2010年に上京。会社員を経て独立し、現在は多数のWebメディアで執筆中。本書が初のエッセイ集となる。
目次
「ぼく、賛成です」
赤に光る回鍋肉
わたしのタイプライター
踊るほっぺ
ミイラの朝
真夜中はヒーロー
プールの底で考え中
ここは下北沢
宇宙のカレ
ラジオのスター
ホワイトアスパラふたつ
ベンッ
お住まいはどちら?
好きよ、トウモロコシ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
59
今度、私家版の新刊が出ると聞いて。まずはデビュー作を手にしてみました。優しいエッセイです。とても気持ちが落ち着きました。一つ一つは切り取られた日常かもしれないけれど、しっかり、つながっている。中前さんという人が見えてきたように思います。ちょっと懐かしいような感覚もあって。温かくなりました。2024/12/24
ぷく
21
天王寺のスタンダードブックストアが閉店すると聞き、慌てて訪れた際に見つけた本。普段はほとんど読まないエッセイ、ふんわりと柔らかなタイトルに惹かれて購入した。父が飼っていた熱帯魚の水槽のポンプが、ポクポクと空気を送り出す様子とか、何年か前に入院していた時の点滴がぽとんぽとんと落ちる様子とか。これ以上ないほどの確かな感じを思い出す。ありふれているけど、実はとてつもなく素晴らしい日々の営みは、これからもきっと続いていくのだなあと、お腹の真ん中がほこほこと温かくなるようなエッセイだった。 2023/07/20
マツユキ
18
タイトルに惹かれて、読みました。エッセイです。故郷を離れて、東京で就職し、仕事を始めた作者は、親に愛され、本人もまた愛情深い深い人なんだろうな。家族や、恋人、仕事に、街。エッセイなんだけど、作者を主人公って呼びたくなる。作者の人生を身近に感じ、心が温まった分、背筋を伸ばしてて、自分の日常を過ごしたいです。2025/05/30
えつ
13
始めましての中前さん。お母さまへの愛情がたっぷりの作品だった。読んでいてとても温かい気持ちになった。BB弾を集めた子ども時代、一緒だー!って思ったら同世代の方でした。住んでいる地域は違くても、あの頃の子どものすることはみんな同じだったのか、となぜか安心できた。タイトル、特徴的だな〜と思っていたけれど、なるほど…そういうことだったのか…と。装丁が北村人さん。なんとなく、中前さんの雰囲気に合っているように思った。2025/01/22
林檎
13
家族の事や出会った人達との事、過去の出来事や今の事、生活の中で感じた色々な気持ち。大事なエピソードが綴られているエッセイは節々に愛が感じられて温かい気持ちになれる。また枕元に置いておきたい本が増えた。2024/11/30
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