内容説明
当時、異彩をはなっていたであろう大名・大村純忠について、清涼院流水氏が7年の取材をもとに記した渾身の歴史エンタテイメント。
「人は、俺を人外と呼ぶかもしれぬ。だが、それが何であろう。」
歴史の闇に葬られたキリシタン大名の全貌が、今、蘇る!
信長より1年早く生まれ、戦国時代を生き抜き日本で初めて洗礼を受けた大名「大村純忠」(おおむら すみただ)
ザビエル来日の前年に18歳で当主となり、数々の合戦を戦い抜き、長崎港を開き、領内の寺社を焼き払い、天正遣欧少年使節をローマに派遣した稀代の戦国武将、大村純忠の波乱万丈の生涯。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
22
肥前の戦国時代の様子がわかった気がします。弱小地方大名かと思いきや、なかなか興味深い。2018/08/28
アキ
22
なぜ長崎の地でかくれキリシタンが世界遺産になったのか?その始まりは、大村純忠にあった!信長より1年早く生まれ、その純粋な性格で日本で初めてのキリシタン大名となり、妻も洗礼を受け、日本で最初にキリスト教の婚礼を行った。神社仏閣をすべて焼き払い、領民全員クリスチャンにした。長崎港を開港し、1580年伴天連に領土として寄進した。これももちろん日本で初めて。大友宗麟と天正少年使節団を送り出し、1587年に没するが、秀吉が伴天連追放令を出す1か月前であった。その生涯はなんて純粋で波乱万丈なのだろう。お薦め本です!2018/07/29
鯖
20
キリシタン大名大村純忠の生涯を描いた小説。こちらもクセがない。クセがない分、純忠のある意味狂気が伝わってくるようで、怖かった。領内の民6万人をキリシタンに改宗させ、従わないものは全て斬り殺したとさらっと書いてあって、けれどもその描写はないんだよね…。逆にそれが怖かった。ラストで豪奢な鳥籠から「自由におなり」って鳥を放すシーンがあって、感動的に描いてるんだろうけど、鳥籠の中しか知らない鳥が外で生きてける訳ないんだよね。遣欧少年使節や彼が改宗させた民の行く末を暗示してるみたいで、すごい狂気だったよ…。2018/02/12
誰かのプリン
13
大村純忠が、日本初のキリスト教式結婚式をあげた人だと初めて知った。当時の九州一帯の勢力が詳しく書かれている。読み易く一気読みでした。★★★★4,52019/08/11
Satoko Tomono
7
とても読みやすかった。大村純忠については代表的なキリシタン大名で天正遣欧使節を派遣した人物、ぐらいの知識しかなく、領地大村や、ライバルの戦国大名などについては知らなかったので、とても興味深かった。義弟後藤貴明に恨まれ続けながら憎めない純粋さ、その純粋さでキリスト教を素直に受容した。戦勝は純忠にとってデウスの恩寵であった。人としての彼は魅力的だが、当時の社会からはなかなか理解されなかっただろうことは想像に難くない。もし私が家臣だったら反発していただろうな、もう少しうまくやればいいのにと思いつつ読んだ。2019/02/01