内容説明
永禄11年、織田信長が足利義昭を奉じて上洛する。貿易による富で自治を貫く堺の納屋衆、中でも今井宗久、千宗易、津田宗及は天下の趨勢を見定めようとしていた。納屋衆内では、新興勢力である信長に賭けることに反対の声もあがったが、次第にその実力を認めていく。一方、今井、千、津田は信長から茶堂衆に任じられ、茶の席で武将たちの情勢を探り、鉄炮や硝石の手配を一手に握るようになっていた。天正8年、石山本願寺を降伏させることに成功した信長の天下は、目前に迫っていた。しかし、徳川家康の腹心で一向宗徒の本多弥八郎が怪しい動きを見せはじめ……。茶室を舞台に繰り広げられる、圧巻の戦国交渉小説!
目次
第一章 天下人の産声
第二章 近づく戦火
第三章 新たな関わり
第四章 急転する情勢
第五章 崩れた思惑
第六章 遠謀の足音
第七章 蠢く影
第八章 一気呵成
第九章 嵐来る
第十章 合わぬ動き
最終章 決意交錯
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
納間田 圭
122
乱世を生き抜いた商人達。貿易経済特区と化した”堺”。纏める納屋衆の…武器は一に情報、二に情報。下克上の世の流れを読み…誰に付くか取捨選択。そして天下人になりえる人物を見極め…その性格や習性を把握。利用するのは… 身分に関係なく親しくできる”茶の湯”の世界。欠かせなくなってきた…最先端武器”鉄砲”と火薬原料”硝石”の貿易の仕切り。もしかしたら…信長の失敗は海の向こうまで欲しがったことかも。当初の目的の国内だけで我慢してれば…本能寺の変は無かったかも。それは秀吉もしかり。で、それを学習したのが家康ってこと。2025/03/16
こたろう
1
堺の3人の茶道衆の目線で話が進んでいく展開は面白かった。商人の先見性がよく出ていたと思う。ただ最後、本能寺の変はさらりと終わり、明智が何故?というところは、深堀りがなかったのが残念でした。2025/03/31
44cars
1
これは面白い視点でした。立場の違う者からみた戦国の解説とでも言えば良いのでしょうか。歴史好きの方にはおすすめでは?2025/03/03
我門隆星
0
足利義昭上洛~本能寺の変の直前までの織田信長を堺の商人三人から見た小説。悪くはない意欲作ではある。が、「毛利にまで話を広げた」ためキャラが必然的に増えキャラブレを起こしている、「光秀側の連歌が(ストーリーの都合で)カットされた」という細かい不満が残るし終わりがあっけなさすぎる、というさまざまな小さな問題が読後感を損ねたため、あまり良い評価にはできない。2025/06/13
やまやま
0
図書館2025/04/28
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