内容説明
待望の書の完訳。1991年フランスの極東学院から出版されたLe CAMBODGE entre le SIAM et le VIETNAM (de 1775 a 1860)は、ポスト・アンコールのカンボジアとシャム・ベトナムとの関係を解き明かした書として、世界的な評価を得ており、東南アジアに関する研究書には必ず引用されている名著です。この書を、アンコールワットの研究家として名高い石澤良昭氏が10余年の歳月をかけて訳出しました。人名地名索引・年表・地図・王統図なども万全で、今後長く東南アジア研究の基本書として読まれるでしょう。
目次
まえがき
序章
1.カンボジア語写本
(1) 『クメール王朝年代記』
(2) 歴史物語および回想録
1)プラック夫人の家系図
2)憂国の時代:1832年から1847年にかけて
(3) 諸法典集
1) 「チバップ・トムニム・ピ・ボラン」
2) 「クロムサンクレイ」の第25条
(4)アランソン市図書館のルクレール寄贈文庫
1) 王令
2) 高官のリスト
(5)エモニエの遺稿
2.フランス語草稿・書簡
(1)パリ外国宣教会の古文書資料
(2)国立古文書館海外史料部インドシナ部門(パリ)
(3)エクサンプロヴァンス海外古文書館インドシナ部門
(4)外務省史料館政治書簡部局(パリ)
本書で用いる用語その他について
(1)表記
(2)地名
(3)言葉の意味
(4)太陽暦・太陰太陽暦[カンボジア暦]の対比一覧
(5)貨幣
カンボジア語子音表記一覧
カンボジア語母音表記一覧
カンボジア語とは
第1部
第1章 1431年から1775年までのカンボジア
1.プノンペンとロンヴェーク:1431年~1595年
(1)ポスト・アンコール王朝の新しい首都プノンペン
(2)西部諸州奪回計画の失敗
(3)16世紀の首都:ロンヴェーク都城
2.王都ウードン:1620年~1775年
(1)内部抗争の時代
(2)スレイ・ソリヨーポール王の統治
(3)ウードン時代:1620年から1775年まで
第2章 1775年から1794年までのカンボジア
1.1777年、オパラチ・アン・トァムの暗殺
2.1778年の反乱
3.1779年、アン・ノン王、臣下ムーに殺害される
4.ムーの摂政時代:1779年~1783年
5.カンボジア王国の裏切り者ベン(1783年)
6.グエン・アイン王子支援の第1次シャム軍介入
7. グエン・アイン王子支援の第2次シャム軍介入
8.グエン・アイン王子支援のためのカンボジア軍介入
9.ベンがカンボジア王国の主に:1787年~1794年
第3章 アン・エン王の時代:1794年~1806年
1.シャム王、西部地方を不当に併合
2.カンボジア西部地方併合に関するシャム史料
3. ポックの摂政時代:1797年~1806年
4. 18世紀末のカンボジアとアンナムの関係
第4章 アン・チャン王の時代:1806年~1835年
1.シャム宮廷による破壊的陰謀
2.ベトナム占領下のカンボジア
3.シャム軍の介入
第5章 災厄の時代:1835年~1847年
1.アン・メイ王女の登位
2.ベトナムの強圧的な行政
3.アン・イム王子とアン・ドゥン王子の逮捕
4.4人の王女の逮捕
5.アン・ドゥン王子の帰還
(1)ポーサット砦の奪還
(2)ウードンの戦闘
(3)ベトナムの政策の失敗
6.1845年、支配権をめぐって新たなベトナム・シャム戦争
(1)シャム軍の第1次攻撃
(2)ベトナム軍の反撃
(3)和平交渉
7.1847年のカンボジア情勢
8.シャム、北部地方を併合
9.アン・メイ女王の悲惨な最期
第6章 ベトナムの圧制:1815年~1836年
1.ヴィンテおよびヴィンアン運河の掘削
2.僧侶ケーの反乱:1820年ごろ
3. ノンの反乱:1836年
第7章 カンボジアとシャムおよびベトナムとの関係
1.アン・チャン王の中立政策
2.シャムとの関係
3. ベトナムとの関係
第8章 アン・ドゥン王の時代:1848年~1860年
1.国家再建計画
(1)社会改革の断行
(2)貨幣改革
(3)行政機構の再編成
(4)防壁と道路の建設
(5)仏教の復活
(6)年間の伝統行事
2.国内情勢
3.商業活動
4.フランス支援の模索
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