内容説明
アジアで最初のノーベル文学賞作家タゴールの追想記。
ベンガル語からの完訳。
詳細な訳註・解説を加えました。タゴールの魅力をたっぷり味わうことができます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たま
58
タゴールの少年時代の思い出。訳者による詳しい解説が付され、面白かった。15世紀に遡るバラモン名家であるタゴール家がなぜ17世紀末にカルカッタに移住したか、いかにして東インド会社の隆盛と共に財を築いたか。祖父、父、兄たちの事業と思想。高い教育を受け、幅広い活動をする彼らとは全く異なる妻たち(母は8歳で嫁ぎ16人子どもを産んだ)の狭い世界。タゴールは明治維新の頃の生まれ、ベンガル語の芝居、歌謡、詩の伝統に育ちつつ英語の教育も受ける。義太夫や仕舞に興じる江戸末~明治初期の文人を思い浮かべつつ読み、興趣尽きない。2023/03/31
ケロリーヌ@ベルばら同盟
57
ノーベル文学賞を、ヨーロッパ人以外で初めて受賞した、インドとバングラデシュの国民的詩人タゴールが、その最晩年に書いた回顧録。それは、大人の眼には、太陽系の最も遠い惑星のような、どんな望遠鏡を以てしても目にする事が出来ない幼児の姿。子どもの心で紡ぐせせらぎと囀り。それを取り囲む枝々とともに、その姿を現している木についた果実。豊かな詩藻の源泉と、それを育んだ土壌である一族の歴史。近代化に揺れるインドに育つ少年の内面的成長が、美しい言葉と静かな筆致で綴られる。2023/09/13
relaxopenenjoy
4
本編は子供時代の回想エッセイみたいで、純粋なキラキラした思い出や、後年のタゴールを形作る基盤となった環境などが理解できる。よかった。解説もちょっとした分量だけど読み応えあった。兄弟の多さにびっくり、あとベンガルの名前が馴染みがなく、覚えづらいので家系図は助かる。祖先はバラモンで、お祖父ちゃんは商才に長け、お父さんは宗教系で活躍。2023/09/24
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