講談社選書メチエ<br> 黒いイギリス人の歴史 忘れられた2000年

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講談社選書メチエ
黒いイギリス人の歴史 忘れられた2000年

  • 著者名:平田雅博【著】
  • 価格 ¥2,035(本体¥1,850)
  • 講談社(2025/04発売)
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  • ISBN:9784065393253

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内容説明

「黒いイギリス人」とは、Black Britishの訳語である。「黒人のイギリス人」である彼らは、歴史に翻弄されながらも、「白いイギリス人と女王様の国」では忘れられた存在だった。
「黒人史」といえば真っ先に思い浮かぶのは「アメリカ黒人史」だが、アメリカ黒人史の多くは「アメリカの国内史」として語られるのに対し、イギリスの場合、その黒人史はブリテン島内だけでなく、海を越えて東西にわたる帝国に視野を広げて見る必要がある。ここに「イギリス黒人(在英黒人)」にとどまらない「黒いイギリス人」という語を用いる意図がある。
イギリス史には古くから黒人が姿を見せる。イングランドに最初の黒人女性が現れたのはローマ時代。16世紀チューダー朝の絵巻には王室付き黒人ラッパ手が描かれている。17世紀初頭、エリザベス女王は黒人追放令を発し、シェイクスピアは『オセロー』でムーア人の軍人を主人公にした。さらに、18世紀の新聞の「逃亡奴隷」の広告データベース分析や、アメリカ独立戦争で王党派についた「黒人ロイヤリスト」たちの命運、ロンドンの黒人貧民をアフリカに移送する「シエラレオネ植民計画」の顛末など、「黒いイギリス人」の歴史は「イギリス帝国」の光と影を映し出す。
長期的かつグローバルな視点で、その移動と混合の歴史をたどり、社会的マイノリティの共生の道をさぐっていく。

目次
はじめに:「白いイギリス人」と女王様の国で
序章 「黒いイギリス人」とは誰か
第1章 最初の来訪者たち:ローマ帝国期から近世まで
第2章 逃亡奴隷のプロファイル:18世紀前半
第3章 シエラレオネ計画の夢と失望:18世紀後半
第4章 奴隷解放と「黒人消滅」:19世紀
第5章 世界大戦下の黒人臣民と黒人米兵:20世紀前半
第6章 戦勝国の旧弊:20世紀後半
終章 「イギリスらしさ」を担うのは誰か
あとがき

目次

はじめに:「白いイギリス人」と女王様の国で
序章 「黒いイギリス人」とは誰か
第1章 最初の来訪者たち:ローマ帝国期から近世まで
1 黒いイギリス人のルーツ
2 近世、アフリカ世界への膨張
3 チューダー朝期、スチュアート朝期の黒人
4 シェイクスピア『オセロー』のムーア人
5 奴隷貿易の興隆
第2章 逃亡奴隷のプロファイル:18世紀前半
1 本土に流入する黒人
2 逃亡奴隷データベース
3 身体の特徴、傷痕と「内面」
4 どこへ、どう逃げたのか
第3章 シエラレオネ計画の夢と失望:18世紀後半
1 アメリカ独立戦争と黒人ロイヤリスト
2 シエラレオネ植民地計画
3 シエラレオネへの出航
4 第二弾、第三弾の合流
第4章 奴隷解放と「黒人消滅」:19世紀
1 奴隷貿易の廃止から奴隷制の廃止へ
2 女性と黒人の参加
3 シエラレオネの再捕獲奴隷
4 本国での黒人の発掘と再発掘
第5章 世界大戦下の黒人臣民と黒人米兵:20世紀前半
1 第一次世界大戦下の黒人臣民
2 第一次世界大戦の終結
3 第二次世界大戦中の黒人米兵と黒人臣民
第6章 戦勝国の旧弊:20世紀後半
1 ウィンドラッシュ号という分岐点
2 騒擾、暴動、蜂起
3 人種主義の現場としての福祉
終章 「イギリスらしさ」を担うのは誰か
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

56
題名だが、「「黒いイギリス人」とは、Black Britishの訳語である。「黒人のイギリス人」である彼らは、歴史に翻弄されながらも、「白いイギリス人と女王様の国」では忘れられた存在だった。」という。 2025/11/16

つまみ食い

12
アングロサクソン系よりも前にローマ帝国の臣民としてブリテン島にアフリカ系がいたという興味深い事実から本書は始まる。奴隷貿易の担い手として、奴隷解放論の舞台として、ブリテン島がどのようにアフリカ系と関わってきたかの歴史が主題だが、特に前代未聞の戦死者を出した上で黒人兵の志願者を戦場に送るべきか議論(白人と戦わせ倒す経験を彼らが得ることへ南アフリカなどから強い懸念があった)されていたことなど興味深い。2025/06/17

ののまる

6
第二次世界大戦期、イギリスに上陸した白人米兵が同じく上陸した黒人米兵に対して、ナチス➡ユダヤ人ぐらいに酷い扱いをし、さらにイギリスにいる黒人に対してアメリカ風の差別を持ち込んできた。それに対するイギリス白人のショックがあったことを初めて知った。2025/11/30

T. Tokunaga

6
『嵐が丘』のヒースクリフ黒人説とか、シェイクスピアの『オセロー』以外のムーア人問題とか、またはブラック、ブラウン、ホワイトニガー(アイリッシュ)の問題とか、気を引く割に実証性の固まらない分野をすべて回避し、むしろ地味な移民政策や米軍駐留、または経済的な黒人救済策の失敗、背景にある科学的(と自称する)人種差別など、堅実な問題を堅実に扱っている本で、ここまで明晰な本もなかなか見ないと思う。特に人種とジェンダーを扱う本では、抑え過ぎというくらい明晰で穏やかに書かれ、これはイギリス人の論点整理にも役立つレベルだ。2025/07/11

きょん

4
日本人が思い描くイギリスは白人の国であるが、実際には多人種、インド系の首相を始めアングロサクソン以外のルーツを持つ人も首長になっている国だ。ローマ時代のブリタニアにいた黒人から論じる。イギリス植民地下の黒人についても扱っている。西インド諸島から英国に連れてこられた1万人以上の黒人奴隷の身分。アメリカ独立戦争に参加してかろうじて「自由」は手にしたが、貧困に苦しみ挙句の果て甘言に騙されシエラレオネに移送された人々。奴隷制廃止後も差別は続いた。大戦に駆り出されても黒人に白人を殺させてもいいのか議論になる。2025/10/04

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