内容説明
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文学を言語において読み解くとはどういうことなのか。文学の言語行為について、「読むこと」「書くこと」といったことを言語認識論的な意味から考え直し、小林秀雄・川端康成を中心に、宮澤賢治・折口信夫・堀辰雄・夏目漱石の評論や小説を論じていく。作品に文学としての力を発動させているものは一体何か。文学の「言語活動」分析から、文学の可能性を改めて考える書。
目次
1 文学言語論の定位と展開(影響と伝達-文学論を制約する二つの言語観
輻湊する読みの中で文学を定位するもの-差異化と非任意性ほか)
2 小林秀雄・批評の言語をめぐって(ベルグソン体験の展開
意識と言葉-「Xへの手紙」までの小林秀雄 ほか)
3 川端康成・生動する文学言語(川端文学の言語観-言語不信が要請する言語依存
「伊豆の踊子」その風景の発見と旅の造形-「山越えの間道」の調査から ほか)
4 記述行為の身体性へ(宮澤賢治『雪渡り』の歌声
折口信夫『死者の書』の近代ほか)