家族は知らない真夜中の老人ホーム ――やりきれなさの現場から

個数:1
紙書籍版価格
¥1,650
  • 電子書籍
  • Reader

家族は知らない真夜中の老人ホーム ――やりきれなさの現場から

  • 著者名:川島徹
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 祥伝社(2025/04発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784396618346

ファイル: /

内容説明

10年間働いてきた介護の現場をそのまま書いた記録――

明日は我が身か、我が親か?

刑務所帰りの女性もいた。「死にたい」とつぶやく女性も、
元歯科医も、元社長もいた。イレズミ男の上村さんは言った。
「ここは刑務所よりひどい」


老人ホーム、そこは人生最後の物語の場である。
この本でわたしは夜勤者として見た介護の現場を書いた。
みんなが寝静まった真夜中にどんな物語があっただろうか。

●「まえがき」より
仮眠をしている耳にゴトゴトと音がした。
イラッとする。
Aさんのトイレである。
これで20回目のトイレ。夜明けまでにはあと10回は行かれる。
しかもおちんちんをちょろっと出しておられるので歩きながら廊下を濡らされる。
ときには洗面台の流しに放尿される。
夜勤者はたまったものではない。
ひと晩に30回仮眠から起こされ、30回廊下の拭き掃除をさせられるのである。
注意すると杖を振り回され殴られかねない。
認知症のお年寄りの介護の現場である。

● 目次
まえがき
第1章 元歯科医の井上秀夫さん
第2章 イレズミ男とレビー小体型認知症
第3章 一杯飲み屋の元女将、伊藤ミネさん
第4章 刑務所帰りの竹下ミヨ子さん
第5章 元社長の森山栄二さん
第6章 隠しカメラがあったグループホーム
第7章 パーキンソン病の松山由美さん
第8章 「死にたいです」と言っていた樋口フジ子さん
あとがき
本書に繰り返し登場する介護用語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

134
ごめんなさい。ここまで?こんなに酷いの?問題は施設長に有り?暗澹たる気分で苦い思いを嚙み締めながら読了した。やりきれなさの現場からとあるが、読んでいて私もやりきれなさに覆われた次第。介護職のなり手がいない訳だ。益々の超高齢社会まっしぐらのこの国を、元気な高齢政治家たちはどう舵取りするつもりなんだろ・・こんな介護施設ばかりじゃないと誰か言ってください。2025/04/22

といさん

4
40代で脱サラ後、10年に渡り老人ホームでヘルパーを経験した作者の体験談。 作者川島さんの身の回りで起こることは介護、医療的にかなり低レベルで倫理観も欠如しているが、それが本当に今の介護・医療の問題。働く人を選べない。 作者さんも正義感ゆえに妥協を許さないようなので、それはそれでええかげんな周囲から煙たがられて、同じ施設で長く働くことはできないのだろうな笑 自分は新卒から比較的まともな医療・介護の現場にいたから、曇っていた部分に気づかせてくれる現実のヤバさでした。2025/04/21

Go Extreme

3
変化がなく、いつも退屈 なんか薬でもコロリと 小人の幻視 財布に入れ歯をしまう 笑い声で介護の気持ちが軽く 床にひっくり返って動けずも笑顔 施設内の隠しカメラ 嫌がらせとしての監視 現金盗難と親戚の自首 包丁を持って追いかけ回す施設長 重度の褥瘡と強い異臭 死にたいですと口に 怒鳴り声の録音 無理な食事介助による窒息 肋骨の骨折と検死 車椅子の上で声を出して泣く姿 断捨離のような持ち物の少なさ 認知症同士の老人の恋2025/04/30

卍ザワ

2
本書で描かれている老人のように、歳を重ねるごとに、身も心もボロボロになり、それも認識できなくなって、徐々に衰弱、ただ死んでいくことは、御免こうむりたいものだ。本書の老人の、尊厳もクソもない無様な姿は、自分の将来の姿でもあるし、介護業界の人員不足やら、外国人介護士やら、状況がもっと厳しくなることも確定だし、ジジィになった自分は、本書よりも酷い扱いになっていることだろう。できれば、ポックリと、楽に死ねたらいいが、そう、うまく問屋が卸してくれるだろうか。ICE AIGE GENERATION FOREVER.2025/06/18

みやび

1
☆32025/05/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22581741
  • ご注意事項

最近チェックした商品