朝のピアノ 或る美学者の『愛と生の日記』

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • Reader

朝のピアノ 或る美学者の『愛と生の日記』

  • ISBN:9784484221274

ファイル: /

内容説明

【電子版のご注意事項】
※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。
※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。
※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。
以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。

ノーベル賞作家ハン・ガンが3回読んだ本。日常がシャッターを下ろすように中断されると知った時に残った「愛」の記録。

ノーベル賞作家ハン・ガンが3回読んだ本「しばらく外国にいたとき、この本を1日いちど、3回読んだ。毎日読んでもいい本」ーー日常がシャッターを下ろすように中断されると知った時に残った「愛」の記録。『朝のピアノ』は、キム・ジニョン先生が天に召される三日前、意識混濁状態に入る直前まで、メモ帳に書き留められた生の日記である。不安を抱えながらも、冷静さを保とうと努め、前向きな姿勢を取り続ける。生への執着および葛藤、愛着、賛美、そして周囲へ向ける視線、配慮、感謝、愛。音楽や文学で色付けられ、重厚でいてシンプル。そして最期まで守り続けた、人としての威厳。淡々と綴られているにもかかわらず、この日記は奥深い。


著・文・その他:キム・ジニョン
哲学者/美学者 高麗大学ドイツ語独文学科と同大学院を卒業し、ドイツのフライブルク大学大学院(博士課程)留学。フランクフルト学派の批判理論、特にアドルノとベンヤミンの哲学と美学、ロラン・バルトをはじめとするフランス後期構造主義を学ぶ。小説、写真、音楽領域の美的現象を読み解きながら、資本主義の文化および神話的な捉えられ方を明らかにし、解体しようと試みた。市井の批判精神の不在が、今日の不当な権力を横行させる根本的な原因であると考え、新聞・雑誌にコラムを寄稿。韓国国内の大学で教鞭をとり、哲学アカデミーの代表も務めた。バルト『喪の日記』の韓国語翻訳者としても知られる。

著・文・その他:小笠原藤子
上智大学大学院ドイツ文学専攻「文学修士」。現在、慶應義塾大学・國學院大學他でドイツ語講師を務める傍ら、精力的に韓国語出版翻訳に携わる。訳書にチョン・スンファン『自分にかけたい言葉 ~ありがとう~』(講談社)、リュ・ハンビン『朝1 分、人生を変える小さな習慣』(文響社)、イ・ギョンヘ『ある日、僕が死にました』(KADOKAWA)、ケリー・チェ『富者の思考 お金が人を選んでいる』(小社)など多数。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

16
死期の近いことを自覚して日々綴られる哲学者の断章は、次第に軽やかに穏やかになっていく。「私は愛の主体である。だから私は愛することを知らないのではないだろうか」という逆説は、主体であることをやめざるを得ない病者ならではの洞察であろうか。川に流されるようにままならない病状の変化の中で、自身はもはや主体ではなく、それでも主体ではないことの意識は明晰で、そこで気づくのは他者との関係あるいはハーモニーの中で生かされている自分であり、そのような他者との関係においてこそ愛が生まれるのだという発見であったのかもしれない。2025/06/14

チェアー

4
この本には「生きること」と「愛」が詰まっている。それぞれの言葉を展開していくと、大きな世界が出来上がる。それをぎゅっとたたみこんで無理矢理小さくして言葉にして本の活字にしている。 2025/07/09

いくえ

4
美学者キム・ジニョン氏が亡くなる三日前まで書き留められていた日記。 物事を考察したり、短い文章を深読みしたりするのはとても苦手なわたし。でも結局最後に残るのは、とてもシンプルなものなんやなあと思わされる。季節の美しさ、身近な人の愛や心の強さ。 「TVを見る。誰もが、すべてのものが、永遠に生きるかのように人生を送っている。」 どんな風に生きて、どんな風にこの世を去るのか、最近よく考える機会があるので、大切に大切に読みました。またきっと読む。2025/04/28

Qfwfq

4
2018年、66歳で亡くなった哲学者/美学者キム・ジニョン教授が、癌闘病の末意識が消える三日前まで13ヶ月にわたって書き綴ったスワンソング。ここにあるのは、死に向かいつつある者の絶望や悲痛などではなく、常に朗らかさを保ち続けようとした者による省察と慰めの記録だ。もちろん、そこには痛み、不安、悲しみも含まれるのだけれど、難解な思想や哲学だけではない、自身の内から溢れ出てくるどこか温かなものが散文となって連なっていて快い。ハン・ガン氏のように毎日、とまではいかずとも、折に触れてページを開きたくなる希望の書だ。2025/05/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22556501
  • ご注意事項

最近チェックした商品