中公新書<br> オールコックの江戸 初代英国公使が見た幕末日本

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中公新書
オールコックの江戸 初代英国公使が見た幕末日本

  • 著者名:佐野真由子【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2025/03発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121017109

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内容説明

19世紀半ば、江戸―ロンドン間の文書のやりとりに蒸気船で半年近く要した時代、一人の外交官が担う責任は、今日とは比較にならないほど大きかった。
そんな時代、日英関係の仕事は、初代駐日公使ラザフォード・オールコックの手に完全に託されていたといってよい。
本書は、1859年から1862年まで、日本の外交にとって決定的に重要だった3年間の彼の思考と行動を、在外史料を駆使していきいきと描いた幕末物語である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

35
オールコックが、長崎にこだわったのは、初代長崎領事になるジョージ・モリソンの中国到着が遅れ、日本に迎えなかったこと(44頁)。のちに『初心者のための日本語文法の諸要素』を出版した(50頁)。彼の場合、日本語学習、日本社会の視察、滞在記の執筆に充てられた(121頁)。生活する様子を見るのが好きで、あけっぴろげの家々はよく見える。清潔な部屋に、最低限の家具と銃器。食事、昼寝姿が観察され、職人の仕事ぶりも見えた(122頁)。2015/08/31

Hiro

22
様々な認識の違いを知ることができた。自分は少し世の中を甘く見てしまっている部分があると感じた。2020/11/28

しずかな午後

17
なんて面白いんだろうと、読んでいる途中でなんどもうなってしまった。幕末の日本に赴任した初代英国公使・オールコックの日本で過ごした日々をいきいきと描き出す。しかし、単に日本の過去を賛美するような本ではない。イギリス本国から見れば日本は世界の涯に位置し、手紙のやり取りには何か月もかかった。この時代、現地に赴任する公使の責任は今とは比べものにならないほど重い。本国とのやり取りがままならないなか、攘夷志士による外国人殺傷事件が相次ぎ、幕府高官たちも協力的とは言えない。その心細さ、苦しさ。⇒2024/06/10

ジュンジュン

11
1859年から65年まで、初代駐日英国公使(当初は総領事)を務めたラザフォードオールコックの3年間(59~62)を描く。本質は、大英帝国が地球規模で押し進めるフロンティアラインに立つ尖兵。ただ、日本への”愛着”が彼を特別な存在にする。2021/10/11

ホークス

11
良書。オールコックの公使時代は維新の9〜4年前、攘夷激化の頃だった。遣欧使節派遣と万博参加を推進したその想いは「世界が目の前の外国人の姿でしか立ち現われていないことが本質的な問題であり、彼らの目を本物の世界に向かって開かせるしかない」と著者は言う。押し付けでなく、自力で進む「目」を育てようとする志であり、厳しさと愛情の両立と言える(これは著者にも共通する)。又、当時英国は、今の日本を凌ぐ外交上の哲学を有していた、即ち大人だった(温かい、冷たいでなく)と判る。経験の長さではない、文化の違いを実感した。2015/03/15

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