内容説明
日本中のこどもたちを恐怖のどん底に陥れた天才マンガ家が語った
、父と母、自然、文明、そしてマンガのこと――
最初で最後の本格的自伝
2023年に読売新聞で連載された「時代の証言者/楳図かずお 『怖い!』は生きる力」を再構成し、大幅加筆。
伝説となったユニークなエピソード満載で、生前の著者が自ら語り、聞き手の記者が可能なかぎり裏付け調査をおこなった「最初で最後の決定版自伝」。
美麗な絵柄とトラウマ必至のホラー描写。
怖いだけでないすぐれた心理描写に、宇宙規模の圧倒的なストーリーテリング。
多彩な「楳図ワールド」を縦横に語り、解説する。
デビューする前の肉筆回覧誌「漫画展覧会」からの貴重な作品2点のカラー図版も収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nonpono
109
わたしは楳図かずおの熱心な読者ではないが、子供心にあの怖い絵は脳裏に焼き付いているし、若い頃にはよくテレビで見ていた。昨年、死に際を読んで興味を抱いた。最後に財団を作り、痛い治療は嫌いだから避けて、おにぎりを食べて亡くなったという様が。本書によると最期の言葉は、「おいしい」と知る。本書を読み、改めて楳図かずお作品を読んでみたくなった。奈良に生まれ、手塚治虫に憧れ上京。「世間や編集部にどう思われようと、僕のホラーを支持してくれたのは読者の皆さんです。」に痺れた。そして挿入されている絵の美しさに魅了された。2025/06/14
bura
86
「流行を正反対にひっくり返すのは、ずっと昔からぼくの発想の基本なのです。」楳図かずおが自分の生涯を語りながら生み出した漫画について事細かに解説。聞き手の記者石田汗太がそのコメントをきちんと裏取りし一冊の自伝に仕上げている。「半魚人」「赤んぼ少女」「猫目小僧」「おろち」「アゲイン」「まことちゃん」「漂流教室」「わたしは真吾」「14歳」…。悉く読んだ漫画だ。全ての作品が逆転の発想から誕生していると言う。こんな想いで描いていたのか。この本を読み、私は楳図かずおの漫画が好きだったと改めて想いを寄せてしまった。2025/10/30
keroppi
77
楳図かずおが亡くなる前に、このようなインタビューがなされていたのは結果的に幸運なことであったと言えるだろう。生い立ちから、作品への思い、最晩年の「楳図かずお大美術展」まで語り尽くす。手塚治虫との関係やなぜ漫画を描かなくなってしまったのかということ等、これまで知らなかったことがかなり語られている。後書で「まだ続きぐあるかもしれません」と語っていたが、この一ヶ月後には亡くなってしまう。これを読むと、楳図かずおの漫画を読み返したくなってくる。2025/05/17
道楽モン
70
自伝的聞き書きが、結果的にキャリアの最晩年に刊行された。楳図かずおは、手塚治虫と双璧をなす天才であったが、孤高の作風であるために直接的な後継者を残せない。まさに唯一無二の存在だった。個人的には『漂流教室』の連載をリアルタイムで読み、その後の名作群も週刊連載で親しんだ。連載誌面では他の連載陣を尻目に、彼の圧倒的で異様な存在感は最後まで揺るがなかったのが素晴らしい。本書において、彼のテーマとしているものが必然的であり、まさに未来を予見していながらも、作家性の芯である自己の内面の問題であることを吐露している。2025/05/31
ひさか
49
読売新聞2023年3月10日〜4月27日時代の証言者楳図かずお怖い!は生きる力(全32回)をベースに全体を再構成し、大幅に加筆修正して2025年3月中央公論新社刊。多才な楳図さんとその作品が語られているのが面白い。同人時代の作品の森の一夜、パッパの収録は圧巻。休筆後に触れた第3章が興味深く、一喜一憂した。楽しい本に仕上がっている。2025/04/26




