内容説明
「さあ、化物と鉢合わせといこうか」
謎だらけの変人作家×毒舌の少年助手
不揃いだからこそ補い合える二人が、博多の街を騒がす人食い化物の正体を追う大正あやかし事件簿!
時は大正十年。旧制中学に通う優等生・瀬戸春彦は編集者の父のお使いで、偏屈で有名な正体不明の大人気作家・香月蓮の原稿取りに行かされる。
香月は春彦の歯に衣着せぬ物言いや年の割に達観した性格を気に入り、小説のネタ探しの助手にする。
二人はさっそく町で噂になっている、託宣で人の死を予言するという歩き巫女の姉妹、人喰い化け物の仕業と噂される連続バラバラ殺人事件の真相を追いかける。
だが、それは恐ろしくも底知れぬ闇への入口だった。
見えてきた手がかりは、遊廓の遊女たちの怨念から生まれたという曰くつき呪具――太夫の左腕。
民俗学的な要素も満載、大正時代の博多を舞台に繰り広げられる耽美なホラーミステリ!
くすんだ金髪に白い肌、鬼子として生を受けた少年、瀬戸春彦。
己の運命に縛られ屋敷に閉じ籠もり生きてきた謎の小説家、香月蓮。
己ではどうしよもない呪いを背負った者同士の運命的な出会い――
「夜行堂奇譚」「四ツ山鬼談」の著者が放つ新たなバディ小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
118
好みの世界観の一冊。舞台は大正10年の福岡。謎の人気作家の香月と小説のネタ探しを頼まれた助手の春彦が噂の人喰い化け物、連続バラバラ事件の真相を追う博多密着型ミステリは序盤から漂う好みの予感がたまらない。案の定、少し幻想的でほんのりホラーが絶妙。そしてやっぱりバディに魅せられた。香月と春彦はまさに出会うべくして出会った二人。お互いに通ずる辛苦な生い立ちと絆を深めていく過程の描き方の巧さ、事件の根底に流れる地元に伝わる負の歴史のせつなさ、哀しみに寄り添う二人の姿が、いいねの風を運んでくれた。続編賛成の読後感。2025/05/13
yukaring
78
福岡・博多を舞台に繰り広げられる大正浪漫あふれるオカルトミステリ。しっとりと耽美で幻想的な世界観は「夜行堂」を彷彿させる嗣人さんらしい1冊。変人の人気作家・香月蓮と金髪、白い肌を持ち鬼子として人々に忌み嫌われてきた少年・瀬戸春彦。この2人のデコボコバティが博多の街を跋扈する人喰いの化物と対峙をする。ほとんど屋敷から出ない謎多き作家・香月の元へ父の代理で原稿を取りに来た春彦。彼を気に入った香月は早速春彦を助手として町の噂を調査。人の死を予言する巫女とバラバラ殺人。明らかになる真相は闇深くそして切なかった。2025/04/22
ままこ
67
舞台は大正時代の博多。毒舌の春彦少年と奇人作家の香月先生が、託宣で人の死を予言するという歩き巫女の姉妹と出会い人喰い化け物の真相を追いかける。好みの舞台設定に民俗学的要素、登場人物も魅力的。絶妙な軽妙さ。先が気になり一気読みの面白さ。情景浮かぶ余韻あるラストも素敵。怖ろしくも美しい。切ないけど温かい大正浪漫ホラーミステリ。是非また綴られる話を読みたい。面白かった。2025/08/31
aki☆
57
面白かった!大正時代の博多が舞台のホラーミステリは人喰い化け物によるバラバラ殺人事件。男ばかりが殺されるおぞましい事件だけど、それを追うのが変人作家と中学生という個性的な二人なので重くなり過ぎず楽しめた。助手でありながら雇い主を罵倒し、蹴りを食らわす春彦と世間知らずの箱入り作家にして謎多き香月。かなり不安はあれどこのコンビがめちゃ良い。怨念、復讐、純愛…色々混ざり合った悲しい事件だけど読後感は悪くなくとても良かった。香月先生の描き上げた小説読みたいな。このシリーズも追いかけるのが楽しみだ。2025/06/16
がらくたどん
50
大正博多を舞台にした美貌の引籠り青年作家と利発過ぎてやや皮肉屋だが家族思いの少年助手の不思議綴り。遊郭周辺で頻発する男性の惨殺事件を取材の一環で追う内に死期を言い当てる歩き巫女の存在が浮かび上がる。明治と昭和を繋ぐ束の間の近代化の踊り場の灯から見捨てられた闇が濃度を増し、祟りの真相は哀しく祓うより鎮めたい。家族友人に愛されつつ己の出自(多分アルビノ)を呪いと卑下する少年が「なんらかの」引籠る訳があるらしい変人作家の手を引きながらむしろ背を押されるように成長する共助関係が暖かい。善きシリーズに育って欲しい♪2025/05/16
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