内容説明
伊能忠敬は現代のGPSもなかった時代に、徒歩と測量器具だけで当時最高の精度を誇る日本地図を作ったことで知られています。本書は、伊能忠敬の偉業を、歴史的背景から紐解き、その驚異的な測量技術や地図の精度、測量ルート、測量コストなど、どのようにして正確な地図を作ることができたのか、その秘密を解き明かします。
目次
●Chapter.1 なぜ、日本地図が必要だったのか?
●Chapter.2 礎を築く伊能忠敬
●Chapter.3 測量の器具と技術
●Chapter.4 日本全国測量
●Chapter.5 地図の精度
●Chapter.6 測量のコストと経済状況
●Chapter.7 現代に活かされる地図作成
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shinjuro Ogino
1
伊能忠敬の業績に感動した。①全国の測量を始めたのは隠居した50歳から、②全10回の測量旅行の内第1回の蝦夷測量の目的は江戸から蝦夷までの正確な距離の測定。趣旨は緯度の1度の距離から地球の大きさを測定するため。その距離は現在の距離からみて1/1000の誤差。③幕末に来日した英国は、その正確な日本地図を見て日本征服を断念したとの説もある。④1回目の蝦夷測量の際は相当自弁だったがその成果を見て2回目から幕府が支出。⑤技術の基本は角度と距離で、距離は鉄鎖(1尺の鉄線を60本鎖状につないだもの)等を繋いで測った。2025/07/09
Go Extreme
1
代々網元を務める裕福な家 経済的優位性と知識人としての立場 佐原村で伊能家に婿入り 伊能家と村のために懸命な労働 貧民救済に取り組み餓死者を出さない決意 隠居後の暦学・天文学への情熱的探求 江戸→蝦夷地・子午線測定への壮大な野望 高価な観測機器を揃える金銭的犠牲 蝦夷地測量を口実とした申請戦略 天体観測を重視した独自の測量理論 誤差を減らす工夫・測量技術 生命の危険を賭した測量探検隊 日本初の実測による全国地図 シーボルト事件→世界に広まる 外国人を驚かせる正確さ 西洋技術を学び知識を高めた合理的精神2025/04/30
卓ちゃん
0
隠居してから新しいことに取り組み、それが世界的評価を受けられるまでになる成果を残したとは・・・伊能忠敬の生きざまを知ることができた。2025/06/21
-
- 電子書籍
- デーモンルーラー 定時に帰りたい男のや…