内容説明
謎の怪奇事件に巻き込まれる学生たち。
変わり者の心理士が真相に迫る「臨床心理学×ホラーミステリー」
――僕、怪異譚は好きだけど、
臨床の現場に出ているときはすべてを信じないよ。
なんとしてでも理屈をつける。
科学に基づかない医療は危険でしかないからね。
星森大学心理学部臨床心理学科の教員、佐伯翼。
趣味で怪談を蒐集する変わり者。
佐伯ゼミの学生である多度結良と沖山修一が、
謎に満ちた怪異事件に次々と巻き込まれ……。
心理学の知識とカウンセラーの観察眼で、不可思議な事件の謎を看破する。
結良はボランティアで参加した施設で「山で幽霊を見た」という
女子高生と出会う。女子高生の心の傷、
そして“幽霊”の正体とは?(――秘密)
「毎晩この部屋で亡くなったおばあさんが現れる」と怯え、
引きこもりになっている大学生。
“心理的瑕疵物件”であるその部屋には
すべてを覆す「嘘」が隠されていた。(――優しい嘘)
7つの連作短編、
そして最後に明かされる恐怖とは――。
現役の大学教員であり、怪談蒐集家が描く
臨床心理学×ホラーミステリー、ここに開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mike
78
新しい形のミステリーで面白かった。臨床心理士が解き明かす怪奇現象。その怪談譚は事実なのか?それとも瑕疵ある者が創り出した心的現象なのか?実話に基づく怪談話はどれも読みやすく、最後のオチをはっきりさせないまま読者の心を惑わせる。作者が主人公であり登場するオカルト系YouTuberや芸人怪談師にはモデルがいるとか。私は元々心理学に興味があるので続編が出たらまた読みたいと思う。2025/10/05
yukaring
73
心理学×ホラーミステリの魅力的な掛け合わせ。臨床心理学の准教授・佐伯翼と不可解な謎。怪談なのか心の病なのか、それとも不思議な偶然なのか…最後の最後までわからないのがもどかしくも逆に引き込まれる連作短編集。都市伝説が原因で部屋から出られなくなった男、迷い犬から明らかになる奇妙な消失事件、心理的瑕疵のある物件に夜な夜な現れる老婆の霊など研究室へ持ち込まれる謎を変人の佐伯が解釈する。誰もが持つ心の傷、そして怪異はこの傷に入り込む。瑕疵のある世界へ次に迷い込むのは誰なのか?タイトル回収も秀逸な新感覚の物語だった。2025/05/15
シャコタンブルー
53
この物語の内容はすべて実話に基づいている。それだけに躊躇しながら読んだが怨嗟的な恐怖は無かったので一安心。人の心の奥底には計り知れない闇で溢れている。それが怪異と結びつきあり得ない現象を引き起こすのかも知れない。だから心霊スポットには絶対に行かない(笑) 「ドッグカウンセラー」人の心をストレスから守る解離性障害の驚くべき実態に衝撃を受けた。そんなことが現実に起きるとは・・7話の中では「優しい嘘」が一番印象に残った。「優しい嘘」で追い詰められ「身勝手な嘘」で救われるが最後のオチには身震いがした。2025/08/21
団長
50
図書館で見かけた本。怪現象を心理学で解き明かすって、なんかこういう話好きなんですよ。でも実際読んでみて、オカルト寄りと言うか、あまりスッキリしない終わり方が多かったかな。まあその方が浪漫があって良いけどね。個人的には優しい嘘のオチがとにかく好きでした。2025/08/21
kana
25
いい!!怪異×心理学ミステリー。いわゆる怪談系の小説とは一線を画すのは間違いなくミステリー小説としても意外と新鮮。プロットに小技が効いてたり、会話に伏線が張り巡らされていたり、知的な会話で魅せてきたり、各キャラが深堀されて好感が増したりで「怖さ」にとどまらずエンタメ小説としての工夫も十分。タイトル伏線回収しつつ、各話で不思議だった先生の言動の思惑が明らかになるエピローグはうわぁなるほどと納得。本筋から逸れるけど佐伯先生のティーカップにサボテン植え替えさせる流れが絶妙な嫌がらせで大好きです。2025/04/04
-
- 電子書籍
- 幸せな恋、集めました。【単話】(150…
-
- 電子書籍
- 楽しく生きる100のヒント 新装版
-
- 電子書籍
- Cocoon4 宿縁の大樹 講談社文庫
-
- 電子書籍
- #匂わせ女の優雅な日常【SNSに堕とさ…
-
- 電子書籍
- 戦闘医師 野口英雄 HJ文庫