内容説明
謎の怪奇事件に巻き込まれる学生たち。
変わり者の心理士が真相に迫る「臨床心理学×ホラーミステリー」
――僕、怪異譚は好きだけど、
臨床の現場に出ているときはすべてを信じないよ。
なんとしてでも理屈をつける。
科学に基づかない医療は危険でしかないからね。
星森大学心理学部臨床心理学科の教員、佐伯翼。
趣味で怪談を蒐集する変わり者。
佐伯ゼミの学生である多度結良と沖山修一が、
謎に満ちた怪異事件に次々と巻き込まれ……。
心理学の知識とカウンセラーの観察眼で、不可思議な事件の謎を看破する。
結良はボランティアで参加した施設で「山で幽霊を見た」という
女子高生と出会う。女子高生の心の傷、
そして“幽霊”の正体とは?(――秘密)
「毎晩この部屋で亡くなったおばあさんが現れる」と怯え、
引きこもりになっている大学生。
“心理的瑕疵物件”であるその部屋には
すべてを覆す「嘘」が隠されていた。(――優しい嘘)
7つの連作短編、
そして最後に明かされる恐怖とは――。
現役の大学教員であり、怪談蒐集家が描く
臨床心理学×ホラーミステリー、ここに開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
112
楽しめた、臨床心理学×ホラーミステリの一冊。怪談蒐集家でもある著者の知識諸々が存分に詰め込まれている短編集は想像以上にサクサク読めて楽しめてハマった。主人公の大学教員の佐伯とゼミ生の学生2人が数々のゾッとくる怪異の謎に臨床心理学からアプローチしていく過程は問答無用で興味深い。人の心の複雑な奥深さ、繊細さを改めて感じた。さて、怪異が先か心が先か…不思議いっぱいの世界観も好み。現役YouTuber、怪談師さんをモデルに添えてるのもいい。幽霊も人の心も容易に掴めない、見えない。だからこそ拡がるのは無限の面白さ。2025/10/29
mike
82
新しい形のミステリーで面白かった。臨床心理士が解き明かす怪奇現象。その怪談譚は事実なのか?それとも瑕疵ある者が創り出した心的現象なのか?実話に基づく怪談話はどれも読みやすく、最後のオチをはっきりさせないまま読者の心を惑わせる。作者が主人公であり登場するオカルト系YouTuberや芸人怪談師にはモデルがいるとか。私は元々心理学に興味があるので続編が出たらまた読みたいと思う。2025/10/05
yukaring
79
心理学×ホラーミステリの魅力的な掛け合わせ。臨床心理学の准教授・佐伯翼と不可解な謎。怪談なのか心の病なのか、それとも不思議な偶然なのか…最後の最後までわからないのがもどかしくも逆に引き込まれる連作短編集。都市伝説が原因で部屋から出られなくなった男、迷い犬から明らかになる奇妙な消失事件、心理的瑕疵のある物件に夜な夜な現れる老婆の霊など研究室へ持ち込まれる謎を変人の佐伯が解釈する。誰もが持つ心の傷、そして怪異はこの傷に入り込む。瑕疵のある世界へ次に迷い込むのは誰なのか?タイトル回収も秀逸な新感覚の物語だった。2025/05/15
シャコタンブルー
54
この物語の内容はすべて実話に基づいている。それだけに躊躇しながら読んだが怨嗟的な恐怖は無かったので一安心。人の心の奥底には計り知れない闇で溢れている。それが怪異と結びつきあり得ない現象を引き起こすのかも知れない。だから心霊スポットには絶対に行かない(笑) 「ドッグカウンセラー」人の心をストレスから守る解離性障害の驚くべき実態に衝撃を受けた。そんなことが現実に起きるとは・・7話の中では「優しい嘘」が一番印象に残った。「優しい嘘」で追い詰められ「身勝手な嘘」で救われるが最後のオチには身震いがした。2025/08/21
団長
51
図書館で見かけた本。怪現象を心理学で解き明かすって、なんかこういう話好きなんですよ。でも実際読んでみて、オカルト寄りと言うか、あまりスッキリしない終わり方が多かったかな。まあその方が浪漫があって良いけどね。個人的には優しい嘘のオチがとにかく好きでした。2025/08/21
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