内容説明
昭和10年の天皇機関説事件を梃子に、文部省が火中の栗を拾うようにして本格的に乗り出した国体明徴政策。文部官僚伊東延吉を軸に進められたこの政策は、様々な問題をはらみながらも、昭和12年の『国体の本義』発行よって世間の耳目を集めることになる。従来はイデオロギー批判が主であった主題を、近代的な官僚制の一政策として捉え直し、思想の政策化過程を克明に明らかにすることで、日本的官僚制の宿痾をえぐりだす研究書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
半木 糺
1
戦前の国体明徴政策とその結果生まれた『国体の本義』の編纂過程を文部省官僚の立場を軸にして思想史的に叙述した著作。著者は「思想家がいかにして現実政策に関わるべきか」を主な問題意識としてきたように見えるが、まさにそのような観点から書かれた稀有な書籍である。悪名高い国体明徴運動が、その高邁な理想とは裏腹に予算と納期という官僚体制の宿痾に飲み込まれていく様は、日本だけでなく、膨大なテクノクラートと機構を抱え込まざるを得ない近代国家の宿命として読み取ることが出来る。その意味で本書は普遍性を持った思想史書である。2025/07/06
takao
0
ふむ2025/12/11




