内容説明
統計力学の数理的特性を明確にするには,体積無限大の熱力学的極限の取扱いについて考えるのが重要である.本書は,その定式化の最前線につねに立ち続けた研究者が著した入門書である.理論の急所がコンパクトにかつ丁寧にまとめられ,初学者でもその真髄にふれることができる.「岩波講座応用数学」からの単行本化.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
まえがき
目次
第1章 古典統計力学の一般論
§1.1 概説
(a)相平均
(b)種々の分布
(c)有限系と無限系
(d)平衡状態の諸物理量
(e)スピン格子系
§1.2 物理量と相関関数
(a)スピン格子系
(b)多粒子系
§1.3 平衡状態
(a)多粒子系
(b)スピン格子系
§1.4 エルゴード理論
(a)時間平均と相平均
(b)エルゴード分解
(c)クラスター性
(d)無限遠における物理量
§1.5 熱力学的極限と物理量
(a)熱力学的極限
(b)熱力学的物理量
(c)変分原理と熱力学
演習問題
第2章 スピン格子系
§2.1エネルギー関数とポテンシャル
(a)定義
(b)大きな系での評価
(c)Banach空間の観点
§2.2 同値なポテンシャル
§2.3 圧力関数
§2.4 平衡状態とDLR条件
(a)DLR条件
(b)正準分布の熱力学的極限
(c)純粋相
(d)対称性とその破れ
§2.5 エントロピー
(a)基本的性質
(b)熱力学的極限
(c)エントロピー密度の性質
§2.6 内部エネルギー
(a)エネルギー密度
(b)B_0のポテンシャルの場合
§2.7 Legendre変換
§2.8 変分原理
§2.9 局所的変分原理
§2.10 平行移動不変な平衡状態とエルゴード分解
(a)平行移動不変な平衡状態の端点分解
(b)エルゴード性
§2.11 ミクロ正準分布
(a)圧力関数
(b)エネルギー密度の最小値
(c)エントロピー
(d)相空間の体積とエントロピー
(e)ミクロ正準分布の熱力学的極限
演習問題
第3章 相転移の存在・非存在
§3.1 1次元系における平衡状態の一意性
(a)表面エネルギー有限の条件
(b)相対エントロピーの性質
(c)相対エントロピーの評価
(d)平衡状態の一意性の証明
§3.2 高温の平衡状態の一意性
(a)主要結果
(b)主要結果の証明の骨子
(c)方程式の導出
(d)ノルムの評価
§3.3 低温の平衡状態の非一意性――Ising模型の場合
(a)2次元Ising模型
(b)境界条件のついた正準分布
(c)主要結果の証明の骨子
(d)相対確率の計算
(e)磁区への分割
(f)g_l(ω?)の評価
演習問題
参考書
演習問題解答
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