内容説明
変えられない過去に縛られ,予測できない未来に脅かされ,そして時間の中で常に変化していく私たちにとって,民主主義とはいったいを意味するのか? 憲法前文や緊急事態といった具体例とともに,古典から現代に至る政治思想史を読み変えることで,政治における時間の意味を根底から問い直す.俊英が切り開く政治論の新たな地平!
目次
序論 時間の問題――『慎慮の寓意』とその先
第一章 過去――死者による支配からの解放
一 時間の政治学――クロノスとカイロス
二 八月革命の時間――「起源」から民主主義を考える
三 プリコミットメントの時間――「帰結」から民主主義を考える
四 過去から現在へ
五 一時的な結論と死者による支配について
第二章 未来――将来の民主主義と民主主義の将来
一 再開する時間について
二 未来の制限――未来に関する政治理論
三 未来の希望――デモスと「来るべき民主主義」
四 おわりに――未来という怪物とともに
第三章 テンポ――民主主義の遅さと遅れ
一 政治の速度
二 持続する民主主義――全体主義とその逆立ち
三 加速化・時間性・化石化――政治のスピード
四 多元化する時間――遅さから遅れへ
五 自己統治と時間――アディショナル・タイムにて
第四章 代表――デモスの持続的な現在
一 代表の地平
二 参加と代表――代表制批判の諸層
三 選挙と代表――代表制民主主義の実態
四 構築と代表――デモスの居場所
五 代表か民主主義か――デモスの持続的な現在と慎慮
第五章 民意――代表制民主主義における不純さ
一 民意の時代
二 代表制統治の弁証――民意の通時的な循環
三 選挙と民意――民意のルートについて
四 民意の現われ――過去と未来
五 民意の彼岸で
第六章 はじまり――主権者の意味と無意味
一 国民主権のスタート地点
二 憲法前文は,歴史的に,誰が書いたか
三 憲法前文を読む
四 憲法前文は,理論的に,誰が書いたか
五 外国の痕跡とこれから
第七章 終焉――民主主義がなくなるとき
一 コロナ禍の民主主義――あらためて何が問題なのか
二 民主主義の死から偶然性を考える
三 偶然性の政治理論――政治の代償について
四 緊急対応する民主主義
五 平時の民主主義――緊急事態は存在するか
六 「終わり」に代えて
注
あとがき
参考文献
用語リスト
感想・レビュー
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