岩波文庫<br> 八木重吉詩集

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岩波文庫
八木重吉詩集

  • 著者名:若松英輔【編】
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  • ISBN:9784003123614

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内容説明

近代詩の彗星,八木重吉(1898-1927).残された珠玉の詩篇には,生きることへの愛しみと哀しみが満ちている.愛と祈りの詩人を一冊に編む.キリスト教詩人とされる八木は,特定の宗派を超えて受け入れられている.人間の内奥にある普遍的なものが,読む者に働きかけている.霊性と言葉の交響を明らかにする.

目次

詩集 秋の瞳
巻首に(加藤武雄)

息を 殺せ
白い枝
哀しみの 火矢
朗らかな 日
フヱアリの 国
おほぞらの こころ
植木屋
ふるさとの 山
しづかな 画家
うつくしいもの
一群の ぶよ
鉛と ちようちよ
花になりたい
無雑作な 雲
大和行
咲く心
剣を持つ者
壺のような日
つかれたる 心
かなしみ
美しい 夢
心よ
死と珠
ひびく たましい
空を 指す 梢
赤ん坊が わらふ
花と咲け

心よ

こころの 海づら
貫ぬく 光
秋の かなしみ

石くれ
竜舌蘭
矜恃ある 風景
静寂は怒る
悩ましき 外景
ほそい がらす

彫られた 空
しづけさ
夾竹桃
おもひで
哀しみの海

或る日の こころ
幼い日
痴寂な手
くちばしの黄な 黒い鳥
何故に 色があるのか
白き響
丘 を よぢる
おもたい かなしみ
胡蝶
おほぞらの 水
そらの はるけさ
霧が ふる
空が 凝視てゐる
こころ 暗き日
蒼白い きりぎし
夜の薔薇
わが児
つばねの 穂
人を 殺さば
水に 嘆く
蝕む 祈り
哀しみの 秋
静かな 焔
石塊と 語る
大木 を たたく
稲妻
しのだけ
むなしさの 空
こころの 船出
朝の あやうさ
あめの 日
追憶
草の 実
暗光
止まつた ウオツチ
鳩が飛ぶ
草に すわる
夜の 空の くらげ


黎明
不思議をおもふ
あをい 水のかげ
人間
皎々とのぼつてゆきたい
キーツに 寄す
はらへたまつてゆく かなしみ
怒れる 相
かすかな 像
秋の日の こころ
白い 雲
白い 路
感傷
沼 と 風
毛虫 を うづめる
春 も 晩く
おもひ
秋の 壁
郷愁
ひとつの ながれ
宇宙の 良心
空と光
おもひなき 哀しさ
ゆくはるの 宵
しづかなる ながれ
ちいさい ふくろ
哭くな 児よ
怒り

柳も かるく
詩集 貧しき信徒
序(加藤武雄)
母の瞳
お月見
花がふつてくると思ふ



母をおもふ
風が鳴る
こどもが病む
ひびいてゆかう
美しくすてる
美しくみる

かなかな
山吹
ある日
憎しみ

日が沈む
果物

赤い寝衣
奇蹟



不思議
人形
美しくあるく
悲しみ
草をむしる

雨の日

大山とんぼ

あさがほ

水瓜を喰わう
こうぢん虫


陽遊


冬の夜
病気
太陽





神の道

冬日

夕焼


日をゆびさしたい

くろずんだ木
障子
桐の木
ひかる人


お化け
素朴な琴


故郷
こども


柿の葉


お銭
水や草は いい方方である

秋のひかり

かなしみ
ふるさとの川
ふるさとの山

夕焼
冬の夜
麗日

冬の野
病床無題
無題
無題
無題


木枯
無題
無題
無題
詩 稿
詩集 丘をよぢる白い路
○ すべての季節は,秋を,

詩集 鳩がとぶ
白い秋
○ それにしては りっぱすぎる――
○ かなしみはたかく なりひびいてゆく,
○ 秋 立つころとなれるゆえなりや
○ ましづかに 力づよい 雲!
○ 花を 見れば 嬉しい,――わたしにも,
○ 虹は とほく しづかで あります,
○ 何が 残されてあるのか!?
○ 耳を すませば きこえてくる,
詩集 花が咲いた
○ 虚しさをつらぬき 実相をつらぬいて
○ これは わたしの慢心なのだらうか!?
詩集 大和行
○ まっくらな座敷に ふとゐることがある,
詩集 我子病む
(かなしみ)
メシア
○ まことの詩人は しづかにて死すべし
不死鳥
○ まことの詩を もとむるなら
詩集 どるふいんの うた
○ かなしさが ながれる日
○ なにもかも 捨てきれはしないのだから
詩稿 幼き怒り
○ かみを 感ぜよ,
○ 宇宙のこころは かんじてゐる,
○ 霊感は
○ 詩人とは
○ わたしの ねがひは ここにかかる,
○ 霊感はしづかなる野にばかりいきづいてゐる,
○ かなしみがひびきわたって
○ 幸福をみうしなふたひとよ,
○ ほんとうに 次の世があるのなら
○ どうせ 死ぬるいのちでは あるけれど,
詩稿 柳もかるく
○ はるを うたへ
○ まちぬいた芽がでた
○ 草は 詩人
○ ふるさとに かへりゆけよ
○ さくらの花にみいれ,おまへよ,
○ 天国には「名」はない
詩稿 逝春賦
○ あぢきない
○ そらに 澄みのぼる
○ すべてをすてきれはしないのだから
●詩● 鞠とぶりきの独楽
こま
○ きりすとを おもひたい
○ 森へはいりこむと
〔欠題詩群 ?〕
○ 久しぶりで弟から
○ これだけの
○ 深みといふようなことは
○ きつそうにも
○ よむ本は
○ ゆふぐれの
○ 全きものよ
○ よろこびにあって
○ ほがらかな空は
〔欠題詩群 ?〕
○ 詩につきておもふなかれ
病める友に与ふる
○ すこやかなものが
○ たんじゆんなことばであっても
○ 詩をうむこころ
○ この
○ ミルトンの
○ こころ
○ おろかしい
○ ふしぎ
○ いかるとき
○ かへがたきひとつのこころ
○ うごくこころ
○ まるひとつの
○ なにゆえ
○ しづかなるひは
神をおもふ秋
○ かみをみうしなひたらば
○ かみよ
○ ここまでいらいらとはしってきた
○ われを めぐる
○ 金なきゆえ
不死鳥
純情を慕ひて
あさがほのたね
○ このはいいろのそらから
○ このとしになって
○ わたしの絵は
○ 貧乏はかなしくはないが
○ おほくくづしては
○ 手をあわすれば
断章
○ なぜわたしは
○ よろこばしき詩人は
幼き歩み
○ さびしいおもひではあるが
亡き友の妻
○ えいえんを
寂寥三昧
○ ロマンチストといふのは
○ 詩のうまれいづる日は
○ すぐれたる詩人のこころへはいりこめたときは
貧しきものの歌
○ きりすと
みたま
○ ギリシャ語の聖書をよめば
○ いつわりのない
○ むなしいことばをいふな
○ かなしみのせかいをば
○ かねがないゆえ
詩稿 ものおちついた冬のまち
○ 詩はなにゆえにとほといか
○ うたもひとつの行ひである
○ 本を研究することによって
○ 詩をよむときをえらびなさい
○ 秋をほめたこのまへのとしは
○ しなければならないことは
○ 万葉にかへってゆくのです
○ まづしいこころで詩をよみなさい
○ 古人に逢ふてゐると
○ あさくあいするよりは
○ うたで絵を描こうとするおろかしさ
○ よいことばであるなら
詩稿 み名を呼ぶ
○ かなしいのでもいい
断章
○ れいめうなる
○ よぶがゆえに
〔断片詩稿〕
○ ちさきものに
生前発表詩・詩稿
いきどほり


秋の水
暗い心
詩稿 桐の疏林
○ この聖書のことばを
○ わたしが
○ わたしの詩よ
イエスは きっとまたくる
詩稿 赤いしどめ
○ あさ,
○ むぎのなかに
○ あかんぼをおんぶして
詩稿 ことば
○ 斜面といふものは
詩稿 松かぜ
とんぽ
断章
詩稿 論理は熔ける
断章
ふるさと
○ みにくいものは
断章
詩稿 美しき世界
○ いきどほりながらも
○ 真夏の空にたかくみる
ある日
○ かなしかれど
詩● うたを歌わう
憶えがき
ある日
なかよくしよう
詩● ひびいてゆこう

詩● 花をかついで歌をうたわう
うつくしき わたし
詩● 木と ものの音

ブレークに寄す
天国
詩● しづかな朝


晩秋
私の詩
素朴な琴

哀しみ


野火


麗日
基督

フランシス
信仰
聖霊
気持
私の詩
赤い花
真理
信仰詩篇
二月
十字架
キリスト
太陽
万象
〔断片詩稿〕
○ もえたら
ノオト A

仕事
○ 詩をつくり詩を発表する
此の室
感謝
称名
ノオト B
○ 小さき花,完全の鏡――
○ 私は貧しいと云へようか
ノオト C
○ 太陽よりもっともっと高いところに
○ 長い命でないとおもへば
ノオト D
床上独語
ノオト E
○ わが詩いよいよ拙くあれ
○ 独り言ぐらい真剣な言葉があらうか
詩神へ
歿後発表詩(原稿散佚分)
○ 私のそばに
○ 神さま
訳 詩
訳詩 ジョン・キーツ
レーノゥルドに答へて
私が怖れるとき
海に
暗い霧は去った
「名」に
ブレーク『無心の歌』
序詩
幼きよろこびのかたまり
解説(若松英輔)
八木重吉略年譜

感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

47
夭折の詩人、八木重吉氏。彼が残した詩は偉大なる詩達達への敬意、神への信仰心、この世界での一瞬を切り取った美しさ、それに対峙する誠実さ、憧れと憤り、渦巻く感情すらも端正に詠っている。たった一行で構成される無題シリーズでもその感受性のエッジが尖り過ぎてたじろぐ程。一方ですくすくと成長していく愛娘、桃子への慈しみと自分の命運を悟っているが為に一緒にいられない事への哀しみに胸を打たれる。2025/05/02

おせきはん

20
生きることの苦しみや悲しみとともに、自然の美しさに触れて感動したこと、前を向いて頑張ろうという気持ち、神への信仰心などを綴っています。飾りのないストレートで深い言葉が溢れていました。2025/08/02

どら猫さとっち

11
29歳でこの世を去り、生きることと在ることの愛しみや悲しみ、苦しみを詩に綴った八木重吉。彼の詩のすべてが、本書に詰まっている。わずか一行でも、その世界が見えてくるのは、詩人の技と言えようか。硬質な文体、そのなかにあるさまざまな感情、情景。そのひとつひとつが刺さる。今まで彼の存在さえ知らなかったが、岩波文庫で刊行されたのは、幸運なことだった。感謝したい。2025/04/21

Y.Yokota

8
なんという詩だろう。飾り気なくあるものをあるままに、嬉しさやいとしさも、悲しみもさびしさも、感じるままに簡潔に、しかし驚くほど根源に達するまでの深さで書かれている。あまりに誠実な簡潔さは山頭火の句を感じさせる。若松英輔さんの解説もいい。今の自分に染みわたる一冊だった。2025/05/09

おしゃべりパイナポー

3
八木重吉の詩はいつも私の心を揺さぶる。 2025/05/16

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