内容説明
刑務所で起きていることを、ほとんどの日本人は知らない――。 新潮ドキュメント賞受賞『獄窓記』の著者が20余年にわたり見つめ続けた日本の刑務所。社会の映し鏡である刑務所は時代と共に変化していく。死刑囚を収容する東京拘置所と名古屋拘置所、受刑者の3人に1人が無期囚という熊本刑務所、障害者や高齢受刑者が増え続ける和歌山刑務所、60カ国以上の外国人受刑者がいる府中刑務所、未成年者が服役する川越少年刑務所……。受刑者、刑務官、福祉関係者など様々な視点をつないで描く刑務所の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nonpono
76
そもそもわたしが福祉というものに興味を抱いたのは、山本さんの「累犯障害者」を読んだからだと思う。刑務所を出獄しても刑務所に帰りたくて罪を犯す心情。刑務所で初めて誕生日を祝ってもらい、「これまで生きてきたなかで、刑務所の中が一番暮らしやすかった」という現実。親子2代で和歌山刑務所に生まれ、出所後も地域とうまくいかない女性だが、役割を見出したり与えられたりするとまた視界は明るくなるのか。「やっぱり大切なことはさ、心理的なテクニックなんかじゃなくて、とことん相手を信じて、気持ちを通じ合わせるってこと」が響いた。2025/06/29
まゆまゆ
10
20年前に逮捕されて刑務所で過ごした経験を活かして活動する筆者による、これまでの体験を小説風にまとめた内容。刑務所が福祉の受け皿になっていると知ってから、その後も関係者の努力で手が差し伸べられるようになってきたところだが、まだまだ世間の理解も追いついていないんだなと感じる。2025/04/25
toshi
10
著者の体験記と短編小説が混在している本。 体験記の方は一人称で書かれているので簡単に区別できるので分かっていれば混乱することはないけれど、体験記からいきなり短編小説になった時は一瞬迷子になった。 刑務所やその周辺での問題を提起する内容だけど、盛沢山すぎて纏まりが無い印象を受けた。2025/04/14
フロッグ
8
刑務所を出たあとの大変さはよく聞く。受刑者と接する刑務官は大変な仕事だと思う。2025/04/26
いちご
7
刑務所や出所後の生活の現状について知ることができる本。知的や精神に障害がある人が想像以上に多いことや再犯者の多さなど、具体的でした。家庭環境だったり、学校での勉強や集団生活でのつまづきを見過ごしや対策の先延ばしの果ての受け皿になっている一面を強く感じました。教育とか子どもに関することはすぐに結果が出ないから、社会の中で後回しにされがちだし。刑務所や福祉の問題のみならず、長期的な視野を持てなくなった社会の問題でもあると思いました。2026/05/03




