内容説明
大阪時代は賞レースを総なめにするも仕事は増えず
東京進出後もM-1準決勝で9回敗退するなど苦汁をなめ続けた
その間に妻は家を出ていき生活はどん底に……
泥まみれのM-1ラストイヤーで栄冠をつかんだ男の、魂の咆哮
【目次】
chapter1 お笑いに勝ち負けはある
chapter2 Welcome to hel l Tokyo
chapter3 エイエンなんてあるわけない
chapter4 慟哭の冠
chapter5 思い立ったが吉日
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
てってけてー
17
とろサーモン久保田さんの本。毎週キングコングを見てから購入した。M-1優勝までの道のりがメインで描かれており、その道中の苦悩や感想が描かれている。 なかがきの中の「始めることに遅いなんてないんです。人生を振り返ってみて、人に褒められたとか、もしかしたらあれ行けそうかもとか、やってみたいと思える事を優先してみてください。」 これは学びとして本当にそう思った。またくっきー!さんが優しいというのもほっこり。2025/03/23
fabi@第一芸人文芸部
9
めちゃくちゃ面白い。大阪で売れていたとろサーモンが上京するところからスタート。激減した仕事、金がなくなり奥さんとの会話も減っていく。大阪で賞を総ナメにしたのに何故?バイトをしないといけないのか?それでも笑いに人生を捧げ、M-1を取るまでの物語が事細かに綴られている。文章も面白くて、誰とも似ていない。ラップにもできそうなほど小気味いい区切り方。漫才・芸人仲間・取り巻く環境が吐き出させる愛ゆえの毒。「地面に落ちている花びらは何枚拾えば満開の桜の木に修復できるのだろうか」の一文がめちゃくちゃ残った。2025/05/24
hideto
8
お笑い賞レースの頂点とも言うべき「M−1」。年末の恒例行事であり、一夜にしてスターが誕生する番組ですが、2017年のチャンピオンに輝いたとろサーモンの久保田さんによる魂の叫びとも言うべきエッセイです。決して順風な芸人人生ではなく、追い込まれていく姿は痛々しさが伴います。でも、2017年の優勝に向かっていく様には、共感しかなく、思わず涙ぐみそうに。お笑いにかける思いがひしひしと伝わってくる一冊でした。2025/09/22
ざっく
8
筆者のいう「薄い人生」にブックカフェでコーヒー1杯頼みこの本を読んでいるような人生も含まれるのかな、と思いつつ。「てっぺん取りてえな」という芸人の「てっぺん」を具体化したのがM1なんだろう。しかし、この並外れたギラギラ感はどこから出てくるのだろうか。復讐、怒り、憎しみから出るマイナスからのダークサイドのエネルギーは、時に感謝、慈悲、平和から出るライトサイドのエネルギーを超越するんだなあ。2025/05/25
yiyiyi
7
感情の赴くままにひたすら書き殴ったような文章なのに、読ませる力は半端ない。とにかく毒だらけで、これが山ほど修羅場をくぐり抜けて来たであろう芸人の力なのかな。そして、人にも恵まれてるなー。多分、どれだけ滅茶苦茶しようと、周りが久保田さんの才能を認めてたからなんだろう。M-1優勝して順風満帆に見えても苦悩は続いているようで。敢えて誘惑を捨てるストイックさがあってもこれかと…。何事もほどほどが一番という事ですね。 もちろん、酒は飲んでも飲まれるなという注意喚起もしっかり受け取りました(笑) 酒飲めへんけど。2025/04/18