ハヤカワepi文庫<br> 半生【はんせい】の絆

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ハヤカワepi文庫
半生【はんせい】の絆

  • ISBN:9784151201158

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内容説明

中国で魯迅と並んで評価される、伝説の作家の代表作を新訳・文庫で刊行。一生ぶん続くことは叶わなかった、男女の恋の運命をめぐる傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shun

34
「半生縁」の文庫化。上海・南京を舞台に運命に翻弄される男女の永遠の愛を描く。悲劇に打ちのめされるも一生に一度の恋愛に身を投じる恋人たちに涙する。大戦前、近代化が進む中国での一般的な家庭の暮らしや風習が伝わる描写、そして友情や嫉妬などが入り混じった複雑な心境の描き方に説得力がある。特に身内の酷い行為によって翻弄されるヒロインが孤独の中で自分と向き合う場面。理不尽な社会と親族が壁となって一人の女性が自由や幸せを得るにはかくも過酷な時代。「愛とは、その値打ちを問うものではない」と説く張愛玲による至上の恋愛小説。2025/04/15

TATA

31
戦前の上海、南京を舞台にした恋愛小説。中華圏では広く知られた作品らしくドラマや舞台に何度もなってると、ふむ。ハヤカワの作品だしと思って手に取る。最初は若い男女のお話なんだけど、半ば過ぎから一気に暗転。なんなの、こんなのアリなの?というような虫唾が走る展開に。うーん、そりゃあ悪役もいた方が話に深みは出るもんだけどもこりゃないでしょ。個人の恋愛感情など家族に振り回されて成就しないってのが彼の国では受け入れられるってこと?これも強烈な異文化体験なんだろかと読後モヤモヤ。2025/07/26

tsu55

18
舞台は1930~40年代の上海・南京 。 互いに惹かれ合いながらも、すれ違い、行き違い、結ばれない若い男女。そのもどかしさ に苛立ちながらも、先が読みたくて、引き込まれてしまった。 旧弊な習わしがまだ残っている時代。一見おとなしそうな曼楨 だけれど、周囲の圧力に屈せず、凛として意志を貫く姿は美しい。こんな女性が目の前にいたら、ちょっと好きになってしまうかもしれない。2025/05/09

さとうしん

11
張愛玲作品は今まで翻訳で短編集を読んだことがあるだけだが、短編とはまったく味わいが違う。長編の方が面白い。中盤から「どうしてこうなってしまうのか」と主人公カップルのすれちがいぶりにやきもきしながら読んだ。時期的には満州事変から日中戦争にかかるが、そんなものなど存在しないかのように話が進んでいくなと思ったら後半で少し関係してくる。2025/04/01

かしこ

7
同じ職場の真面目な男女がお互いに好意を持つ。2人ともひたすらに真面目で不器用なのに家族は複雑。家族を支えなくてはならない。男の方には父の妾とか未亡人の義理姉とか。女の方は身を売って家族を養ってくれた姉や、好色なその夫、幼い弟たち。早く結婚しないと上手くいかなくなるよーーと思っていたが、思った通り、周囲の状況はどんどん悪くなって結婚できなくなる。 昔の恋愛は、自分だけですることができなくて家族ぐるみ。2025/05/15

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