内容説明
心の普遍性を探究する心理学から派生した文化心理学、そしてそこに神経科学的手法を取り入れた文化神経科学は、文化的慣習がさまざまな心理過程に影響を及ぼすことを示し、さらにその基盤となる脳活動や遺伝子の解明にも貢献してきた。本書は「文化-心-脳-遺伝子」というつながりを軸に、心と文化の相互構成過程を明らかにする。
目次
はじめに
第1章 文化心理学の考え方
観念体系としての文化と「能動的な」人間像
文化心理学の方法
「文化の影響=一枚岩」であることの誤解
本書の構成
第2章 認知、感情、自己――洋の東西の文化的差異
認知の文化差
社会的推論
注意配分
カテゴリー化
変化と時間認識
感情の文化差
表出のルールと文化差
感情についての暗黙理論を反映したアジアにおける包括的な認識
笑顔の消失に対する敏感さ
幸福に関する素朴理論
自己の文化差
自己高揚と自己批判
制御焦点の文化差
ユニークか協調か
選択と動機づけ、認知的不協和
第3章 洋の東西を超えて――社会生態学的な要因による影響
生 業
人々の流動性
社会階層
近代化・都市化
第4章 脳内指標と文化
認 知
分析的・包括的認知
原因帰属と自発的特性推論
創造性
感 情
内集団優位性
感情調整
表情や声に含まれた感情の認識
感情的な痛みの知覚と相互協調性
自 己
自己認識
自己評価
第5章 遺伝子、文化、心
社会・文化環境と遺伝子の共進化
DRD4と移住
5-HTTLPRと集団主義
μ-オピオイド受容体と集団主義
社会・文化環境と遺伝子の相互作用
環境要因による影響とその影響の受けやすさ
文化と遺伝子の相互作用
既存の知見の問題点
サンプルサイズの小ささ
ターゲットの問題
GWASの問題点
「中道的」アプローチの可能性
あとがき
引用文献
索 引
感想・レビュー
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センケイ (線形)
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