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内容説明
■長年の学歴論争に一石を投じる! 学歴不要論など侃侃諤諤の議論がなされるのに、なぜ学歴社会はなくならないのか。誰のために存在するのか。背景にあるのは、「頑張れる人」を求める企業と、その要望に応えようとする学校の“共犯関係”だった!? 人の「能力」を測ることに悩む人事担当者、学歴がすべてではないとわかっていてもつい学歴を気にしてしまうあなたへ。教育社会学を修め、企業の論理も熟知する組織開発の専門家が、学歴社会の謎に迫る。 ■本書の要点 ●学歴は努力の度合いを測るものとして機能してきた ●ひろゆき氏の学歴論は本質を捉えている!? ●日本の学歴主義の背景にあるメンバーシップ型雇用 ●仕事は個人の「能力」ではなくチームで回っている ●「シン・学歴社会」への第一歩は職務要件の明確化 ■目次 ●第1章:何のための学歴か? ●第2章:「学歴あるある」の現在地 ●第3章:学歴論争の暗黙の前提 ●第4章:学歴論争の突破口 ●第5章:これからの「学歴論」――競争から共創へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ta_chanko
25
何かと個人の能力が問われる現代。しかし能力なるものは測り難い。ゆえに分かりやすい指標として学歴が用いられる。いい学校を出ていれば、能力が高いか、努力できるかのどちらかor両方だろうと。しかしそう判断して採用した人材を集めたところで、仕事が上手く回るわけではない。それは人と人との関係性に気を配っていないから。能力&自己責任が問われる殺伐とした社会ではなく、互いに存在と役割を認め合えるような、そんな社会に近づけていくことはできないものだろうか。2025/05/08
よっち
23
学歴不要論など侃侃諤諤の議論がなされるのに、なぜ学歴社会はなくならないのか。誰のために存在するのか。教育社会学を修め、企業の論理も熟知する著者が学歴社会の謎に迫る1冊。努力の度合いを測るものとして機能してきた学歴の位置付け、日本の学歴主義の背景にあるメンバーシップ型雇用、仕事は個人の「能力」ではなくチームで回っていることを背景に、「頑張れる人」を求める企業と、要望に応えようとする学校の共犯関係、親と子で再生産されがちな学歴の問題を指摘しつつ、試行錯誤も取り上げてこれからの社会を考える1冊になっていました。2025/04/07
タカナとダイアローグ
23
学歴って言葉に「うっ」となる。自分は誇れない。能力の高さ=偏差値的なことか?。否、まず「能力ってなに?」状況、組み合わせで、出来ること出来ないことってあるよね、汎用的な能力って虚構だよね?という真っ当な議論をしてくださっている。汎用的な何となく出来るだろうって人を採用しようってなると、学歴は重要な指標なんだけど、「この職務に対して成果をあげられる人」を基準にしたら、学歴より学部だし、機能だし。ジョブ型じゃないのに無理すると学歴偏重になる。あと、「〇〇大学なのにだめでした!」って言い訳しやすいんだとおもう。2025/03/22
江口 浩平@教育委員会
19
【教育社会学】勅使川原さんの本ということで手に取った一冊。企業が自分たちにとって良い人材を採用しようとしたときに、どの学校を出ているかで良し悪しをはかろうという社会全体の合意があったからこそ、学歴社会が加速度的に進んできて今の実態がある。家庭環境と学歴とには相関があることを考えると、学歴を有難がっている社会をそのまま維持し続けることは格差の助長につながることになる。学歴よりも個人としてどのようなことを学んできていて、どのような強みをもっているのかを互いに可視化して、補い合えるような働き方ができればと思う。2025/04/01
ウォーカー
7
本書を読んで、これまでの学校教育と(日本型雇用の)企業社会はガッチリと組み上がり、ある意味よく完成された状態にあるんだなと思った。今後、雇用のあり方(メンバーシップ型かジョブ型か)を含めた働き方が変わっていったり、「学歴」が象徴する個人の「能力」ではなく、組織内での人と人の「組み合わせ」に着眼した組織運営が進められれば、学歴の意味づけも変わっていくのかもしれない。「学歴社会」の問題は、確かに自身の立場からのポジショントーク的なものになりがちに思えた。そうならない全体的な視点で考えることの難しさを感じた。 2025/07/29
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