内容説明
「私は、自叙伝を書くつもりはなく、自分のうちにある“父”を、書きたいのである」──獅子文六は横浜の裕福な貿易商の家に生まれるが、十歳のときに父親を失い、その悲しみはいつまでも消えなかった。この慕情は六十歳で授かった息子への強い愛情へ変わる。本作は獅子文六の少年期から青年期までと、そこから四十年をへた晩年の愛息との日々を描いた自伝的作品。解説 岩田敦夫
目次
父の乳/『父の乳』刊行に際して 岩田敦夫
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Inzaghico (Etsuko Oshita)
8
父親を恋う自分の話から、一男の父親となった自分の話へと移る。後半は我が子が我儘だのなんだのと、さんざんけなしているので、当の息子は、あとがきで、自分のことが書かれているので獅子の死後、しばらくは本書を読まなかったという。自分が父に愛され、甘やかされて育ったために、同じように息子を育てたいと思うが、時代があまりにも違いすぎた。獅子が育ったのは明治、息子が育ったのは昭和、それも戦後だ。 父親の乳を父親の体臭とともに思い出す、というのはいいな、と思った。2025/06/07
栄吉
3
★★★☆☆ ちまちま読む。明治、昭和当時の様子も興味深いが、父、息子への想いが希薄な現代に衝く一冊です。2025/08/01
たつや
1
2025年205冊目。文六さんの幼少期からの自伝的小説。娘と私とセットで読むと面白いかも。2025/09/05
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