内容説明
総括 戦後公安事件秘録。
2025年3月で、オウム真理教による地下鉄サリン事件から30年を迎える。
当時、公安調査庁長官として捜査を担った緒方重威氏は91歳を迎えた。「思えば国家転覆を謀る勢力と戦い続けた日々だった」。
そう振り返る緒方氏が、自身が担った戦後の重大公安事件を総括する。
東大闘争、よど号ハイジャック、新宿騒擾事件、三菱重工ビル爆破事件、そして地下鉄サリン事件まで、最後の生き証人となった緒方氏が見た革命勢力との対峙風景。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
110
公安検事として著者が関わった数々の事件については、すでに多くの本が出ており特に新事実は見当たらない。当時の検察が官僚組織として、内部での意見対立や警察・政治との関係についてどう対応したかなどは興味深かった。むしろ公安調査庁長官まで務めた公安のプロである著者が、日本人拉致が明らかになって事実上のスパイ・テロ組織と認定されていた朝鮮総連との接触を古巣に連絡しなかったのか理解できない。あまりに杜撰な言動は、インテリジェンスマスターを自任する者とは思えなかった。なのにこんな本を出したのは別の目的があってのことか。2025/07/04
チェアー
4
すごく新しいことは書かれていない。オウムにせよ、70年安保、赤軍、北朝鮮にせよ、公になっていることがほとんどだろう。相変わらず誤植が多い。 2025/05/07
みんな本や雑誌が大好き!?
1
警察が現場に足を運ぶのは当然ですが、検事も現場に足を運ぶとはあまり認識していませんでした。週刊誌のアンカーのように、編集部で「足」(取材記者・犯罪捜査だと警官?)がもってくるデータをまとめて処理し記事にしたてるように、検事も、検察庁に待機し、「足」(警官)が逮捕した被疑者や用意した捜査資料をもとに「起訴」「不起訴」を決め、起訴したら裁判所に出廷して丁々発止のやりとりをする……ものだと思っていました。ところが、結構、緒方検事はデモなどの現場に足を運び、警察と学生との衝突現場もつぶさに観察しています。2025/07/27