内容説明
いま漁村地域では、漁業の6次産業化を超える新しい「なりわい」による地域活性化の動きが生まれている。3.11で甚大な被害を蒙りながら体験型観光をいち早く復活させた岩手県田野畑村をはじめ全国9つの地域・漁協の実践を、「域内利益循環システム」「地域資源管理」「中間支援組織」「コミュニティビジネス」「地域市場の創出」という5つの視点から分析。漁業・水産業にも相乗効果をもたらす<地域資源の価値創造>(=海業)による漁村地域活性化の仕組み方を提言する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こぺたろう
6
10年ほど前の本になります。数年前から、水産庁の政策でも「海業」を謳うようになってきていますが、新しい産業を興そうというものではありません。遊漁船業や民宿の兼業のように、海や漁村の地域資源を活用して生計を立てている事例は、以前から各地にありました。漁村の振興は漁業の維持に繋がるので、海業の取組みを通じて、地域が潤う仕組みを考えないといけないと思いました。定置網の話が良かったな。2025/06/07
1.3manen
3
約10年前日間賀島に行ったのを想起した。さらにその近くには篠島があり、小学生の頃行ったのも同時に想起。離島経済を丹念に比較している手法からは、地域経済研究上、示唆されることが多い。観光の取り組みの違いが、佐久島の高齢化でマンパワー不足と、日間賀島の違いを生んでいるようだ。確かに、日間賀島ではタコを食べた覚えがある。研修旅行で昼飯に出ていた。日頃蛸壺自営業をコケにしているが、蛸壺産業は重要のようだ。他の特産物には、フグや海苔、波美貝(なみがい)がある(168ページ)。島社会あっての自分という地域への愛に☆。2013/02/11
ビッグマックツトム
1
海業(うみぎょう)とは、海や漁村の地域資源を活用して、水産、観光、飲食業などを行う事業。 本書は、古くから漁村で営まれてきた漁業を中心に、海や漁村周辺の自然環境を多目的に活かして地域内経済を活性化させて行く海業の取組みを、著者自身が全国各地でルポ取材して、学術的に纏めたもの。 論文調で読むの大変だったけど、丁寧に考察されていて膝をうちながら感心した。 現代のSDGsと通じる考え方だと思う。2024/12/30
ポンポコ
1
海の日に読み始めた。海業とは漁業だけでなく水産加工業や漁家民宿、海洋レジャーまでも組み合わせた、農業で言うところの六次産業化のこと。漁業活性化だけでなく、漁村活性化というのがポイント。あとがきで著者が海業という視点を持つきっかけになった福井県常神半島の調査のエピソードが良かった。零細漁業地域にも関わらず、漁家所得が平均で1000万円を超える奇跡の漁村。政策的に漁村振興という考え方が取り入れられたのが農村に比べて遅かった。それだけに、いま漁村がおもしろい。漁業と漁村についてもっと知りたくなった。2013/08/03
kozawa
1
これからの「漁村」の活性化。漁村が漁村でありつづけながら衰退に歯止めをかけている地域のやっている施策とは。取り上げた事例は観光を含めた兼業モデルが多いようではある。2013/04/07




