創文社オンデマンド叢書<br> 学生の歴史 学生生活の社会史的考察

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創文社オンデマンド叢書
学生の歴史 学生生活の社会史的考察

  • 著者名:唐沢富太郎【著】
  • 価格 ¥7,920(本体¥7,200)
  • 講談社(2025/03発売)
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内容説明

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「学生は時代を象徴する。
(略)
幕末より明治劈頭の近代日本形成期において、彼等は、正に崩壊に瀕した封建的権力の強圧と植民地化の野望を蔵した欧米諸国の重圧の中にあって、これにプロテストすべく闘ったのであり、その後の近代国家としての日本が、目ざましい発展を遂げつつあるときは、常にその発展の先駆けをなした。
この時代の学生は、いわば日本の資本主義の隆盛に赴く途上におけるチャンピオンであり、正に「よき時代」の「よき学生」であった。すなわち彼らは外国文化の担い手として、新しい国家の官僚として、インテリゲンチャとして、資本主義社会の指導者として生長し、特権階級として尊敬された。しかし大正期に入ると、日本の資本主義に行き詰まりを生じ、ここに社会が二つの階級に分裂し、この分裂とともに学生の悩みも深刻となった。更に昭和期に入るや、この資本主義の行き詰まりは、いよいよ軍国主義を喚起し、軍閥による強大な圧力の前に、遂に彼等のレジスタンスもむなしいものとなってきた。
思えば昭和二十年をどん底として、その前後数年間、学生は全く戦争の犠牲となって、灰色にぬりつぶされた青春を送った。そして終戦後においては、急激に過去数年間の真空圏内の生活から、自由の大地におし出され、却って自己を喪失したかの如く、的確な目標もつかみ得ないままに、或いは虚無的、享楽的となり、或いは哲学に人生のよりどころを見出そうとし、或いは社会科学研究にと、暗中に手探りしつつ、自己の主体性を得ようと歩んで来た。
(略)
学生生活の実態を明らかにしようと意図した本書においては、多くの回想録や自伝を取り入れて、当時を語らしめた。また、す半を挿入して、その情景を髣髴させようとした。その他聞き書きを入れてより具体化しようと試みた。」
【目次】

I 藩政末期の学生
II 明治前期の学生
III 明治中期の学生 近代学生の成立
IV 明治三十年代の学生
V 女子学生の登場
VI 日露戦争以後及び大正期の学生
VII 資本主義の発達と技術学生・実業学生
VIII 経済界の変動と入学競争率・就職率
IX 昭和初期における就職難と学生思想問題
X 戦時下の学生
XI 戦後の学生
XII 新しい学生像樹立のために
学生に関する年表
参考文献
索引
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目次


I 藩政末期の学生
一 藩政危機下の藩学生
二 幕藩体制にレジスタンスする私塾生
II 明治前期の学生
一 転換期の学生 貢進生
二 自由民権下の学生三
三 学生の私生活
四 鹿鳴館時代の学生
III 明治中期の学生 近代学生の成立
一 ナショナリズムと教育
二 ミリタリズムと学生
IV 明治三十年代の学生
一 新思想と学生
二 服装の変化
三 高等教育機関の普及と寄宿舎
四 下宿生活と学生
V 女子学生の登場
一 封建的女性観と女子教育
二 キリスト教と明治初期の女子教育
三 鹿鳴館時代の女学熱
四 明治三十年代の女子教育
五 女子学生の服装
六 第一次世界大戦下の女子教育観 臨時教育会議に於ける女子教育意見
七 昭和期の女子学生
VI 日露戦争以後及び大正期の学生
一 政治青年
二 東洋的豪傑肌の喪失
三 官界より会社銀行へ
四 入学階層の変貌
五 自由教育思潮と学生 東京府立五中の新教育
VII 資本主義の発達と技術学生・実業学生
一 明治前期実業教育の不振と学生
二 技術学生・実業学生の登場
VIII 経済界の変動と入学競争率・就職率
IX 昭和初期における就職難と学生思想問題
一 学生思想問題の歴史
二 学生左傾の動機
三 転向の動機
四 転向と学校種別・性別
五 ファシズム期における学生の変貌
X 戦時下の学生
一 学徒出陣
二 学徒兵の心境
三 学徒兵の見た軍隊
学徒兵と学問
四 銃後の学生
五 終戦
XI 戦後の学生
一 精神的支柱の崩壊と学力低下
二 経済的窮乏と学生生活
三 学生運動
四 男女共学
五 学生の社会人化
XII 新しい学生像樹立のために
一 大学の本質と学生のあり方
二 学生と教師
三 学生と社会
学生に関する年表
参考文献
索引

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