ちくまプリマー新書<br> 自己肯定感は高くないとダメなのか

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ちくまプリマー新書
自己肯定感は高くないとダメなのか

  • 著者名:榎本博明【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2025/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480685193

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内容説明

自己肯定感は、日々葛藤しつつ生きていくことで少しずつ高まるもの。成長途上の若者が自分はまだ未熟だなと思うのは自然な事。ほめたらのびるものではない。高校生の7割が「自分はダメな人間だ」と思うことがあるという。そもそもどのようにして測定されているのだろうか。その心理メカニズムを解明すると、何を鍛え、何を高めればいいのか、本当の自己肯定感を育む方法が見えてくる。 【目次】第1章 自己肯定感っていう言葉を最近よく耳にする/第2章 日本の若者は自己肯定感が低いって言われるけれど……/第3章 自己肯定感はどのように測定されるのか?/第4章 ほめられても真の自己肯定感は高まらない/第5章 ほんとうに大切なことに目を向けよう

目次

はじめに/第一章 自己肯定感っていう言葉を最近よく耳にする/自己肯定感を高めようという働きかけへの違和感/自己肯定感の低い自分はダメなのか? /ほめられても自己肯定感が低い自分はおかしいのか? /自分に満足できなくなるのは心の成熟のしるし/自分の現状に満足できないからこそ成長できる/第二章 日本の若者は自己肯定感が低いって言われるけれど……/国際比較によれば日本の若者の自己肯定感は極端に低い/ここで浮上する三つの疑問/海外と違うと日本に問題ありとする図式が問題/データを真に受けることで気持ちが萎縮してしまう/なぜ日本の若者は自己肯定感得点が低いのか? /文化の違いに目を向ければ謎が解ける/他のデータと照らし合わせることで見えてくるもの/自己コントロールできる日本人、できないアメリカ人/自己肯定感の得点が低くてもまったく問題ない/第三章 自己肯定感はどのように測定されるのか? /自己肯定感という言葉のあいまいさ/自己肯定感って何だろう? /自尊感情という言葉の意味/自己肯定感はきわめて主観的なもの/自己肯定感には向上心も含まれるべき/自尊感情はこのように測定される/自尊感情尺度には文化的要因が反映されない/自己肯定感尺度の開発と自己満足の意味/国際比較調査における自己肯定感のとらえ方/自己嫌悪は向上心のあらわれでもある/自分に満足できない心理についての理解が救いになる/国際比較調査のデータが意味するもの/自己肯定したがる欧米人、周囲に溶け込みたがる日本人/自己肯定感の高め方は文化により異なる/第四章 ほめられても真の自己肯定感は高まらない/ほめる教育・ほめる子育て全盛の時代/欧米の親や先生はほめ上手と言うが……/ほめる教育・ほめる子育てで自己肯定感は高まったか? /なぜほめても自己肯定感が高まらないのか? /「なぜ先生は叱ってくれないの?」/ほめる教育・ほめる子育ては他人の評価に依存する心をつくる/自己肯定感は安定的なものであるはず/できれば上がり、できなければ下がる、それは自己肯定感とは言えない/心理学の世界における自己肯定感の安定性についての議論/ほめられてばかりではメタ認知が機能しなくなる/ほめるばかりでは自己コントロール力が身につきにくい/第五章 ほんとうに大切なことに目を向けよう/ほんとうの自己肯定感とは? /自己肯定感の心理メカニズムは文化によって異なる/自己肯定感を高める教育への違和感/小手先のテクニックで向上するようなものではない/自己肯定感が自然に高まっていくために大切なこと

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

30
本当の自己肯定感とは何か。その心理メカニズムを解明して、何を鍛え何を高めればいいのか、本当の自己肯定感を育む方法を探る1冊。昨今の自己肯定感を高めようという働きかけへの違和感は何なのか。国際比較で日本の若者は自己肯定感が低いと言われることに対する3つの疑問に、文化の違いからアプローチしていて、極めて主観的な自己肯定感は褒められたからといって高まるものでもなく、メタ認知が機能しなくなる、自己コントロール力が身につきにくいなどの弊害にも目を向けていて、短所を含めた自分に向き合っていく重要性を改めて感じました。2025/04/03

まゆまゆ

12
巷で言われる「ほめて自己肯定感を高める」という行為は本当に正しいのか、そもそも自己肯定感とは何か、について考察していく内容。思春期から青年期はそもそも自分の内面に批判的な目を向けながら自分自身と闘いが続く時期であって、それが向上心や探究心を育むのではないか。国際比較で日本の若者の自己肯定感が低い、というのは単に文化の違いであると断罪。自己肯定感とは周囲に適応していると自分自身で感じることで高まるものである。2025/05/27

きゅー

9
結局のところ「自己肯定感」という言葉がブームになり、そのせいで世間がそれに振り回されているという印象を受けた。加えて、昨今の叱る教育からほめる教育への方向転換と、「自己肯定感」を高めるという題目が関連付けられてしまったことで余計混乱を来している気がする。いったん「自己肯定感」なんて言葉捨ててしまったほうがスッキリするのでは。ほめるときは能力(頭が良いこと)ではなく、行動(努力したこと)をほめると、チャレンジングな傾向が高まるということは覚えておこう。2025/09/19

バーニング

7
同じちくまプリマーから去年刊行された『「叱らない」が子どもを苦しめる』とセットで読むと面白そうな一冊。自己肯定感、という主観的で曖昧なワードがなぜか教育現場に浸透して約20年が経過しており褒めることが症例されているが、この20年間にむしろ自己肯定感が低下傾向にあるというデータを提示するところがまずクリティカル。欧米と日本の文化的比較をやたら行うのはどうなのかなと思うが、自己肯定感の高低の国際比較にはあまり意味がなさそうなことはよくわかる。2025/03/27

sk

5
自己肯定感とはそもそも何か2025/08/17

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