内容説明
日本を代表する文法学・国語学の泰斗の、言葉の内容を重視する「山田国語学」の真髄を、「国語とその教育」など平易な四本の講義から学ぶ。滝浦真人氏の解説を付し生誕150年記念復刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ohe Hiroyuki
2
著者生誕150周年の記念として復刊された書籍である。おおよそ昭和15年~昭和18年頃に書かれた文章が採録されている▼漢字廃止論に真っ向から反対するために、そもそも言語とは何かから掘り下げての語りは読み手に訴えかけるものがある。▼当時の国語教育の問題を指摘しつつも、語り続ける姿は、良き「先生」のお話であるといえよう。虚心坦懐に読むのが良いと思う。2025/02/07
さえもん
1
日本人は日本語で思考せざるを得ない。英語を母語とする人は英語で思考せざるを得ない。英語のIに当たる言葉は本当は日本語にはない。まず「自分」という確立されたものがあるという英語の出発点ともいうべきIが日本語にはないということは、人間関係はじめ物との関係・認識の仕方などについて本質的な差異があるということだ。この点に於いて、言語というものは思想と密接に結びついている。2025/03/09