光文社新書<br> 文化系のための野球入門~「野球部はクソ」を解剖する~

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光文社新書
文化系のための野球入門~「野球部はクソ」を解剖する~

  • 著者名:中野慧
  • 価格 ¥1,144(本体¥1,040)
  • 光文社(2025/03発売)
  • 蝉しぐれそそぐ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~8/3)
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  • ISBN:9784334105877

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内容説明

なぜか戦後から色濃くなった武士道精神、ネットで嫌われる〈体育会系〉としての野球部、甲子園に残り続ける朝日新聞のパターナリズム、女子マネージャーの役割と女子野球の歴史に見るジェンダー、ニュージャーナリズムが影響する「Number文学」の問題点、大河ドラマ『いだてん』に登場した「天狗倶楽部」の革新性……。日本の野球を「文化」の側面から批評し、インクルーシブなライフスタイルスポーツとして捉えなおす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

29
大谷翔平ら日本人メジャーリーガーの活躍が埋め尽くすテレビのニュースと、インターネットやSNSの世界のねじれが生じている原因を野球の歴史から考察する1冊。体育会系としての日本の野球文化はどのように変わってきたのか、そして現代の体育会系はどのようなものになっているのか。アメリカの創られた野球神話、戦前の日本トップエリート校・一高で起こった変化、天狗倶楽部と野球害毒論争や、「帝国主義」と日本野球、戦後日本野球やスポーツの価値論から野球の位置付けがどのように変わっていったのかを解説するなかなか興味深い1冊でした。2025/04/07

佐倉

17
煽情的なタイトルではあるが、アメリカでの野球の成り立ちから日本での定着、そして戦後から現代までの長い射程で「なぜ野球がこのような立ち位置にあるのか?」を紐解いていく好著だった。一高などで受容されたサブカルチャーが批判にさらされる中で国家というメインカルチャーへの目配せ的に武道的な面を押し出していく流れ、その中で野球を楽しむという方向性へと回帰する天狗倶楽部の存在、戦後にメインカルチャーとして返り咲く中、かえって軍国主義的な面がにじみ出てくるという流れ…野球に限らずスポーツ全体の問題点を考えさせられる。2025/04/30

さとうしん

15
高校野球の構造的問題、女子マネに示されるジェンダーの問題から始まってアメリカでの野球の発祥、日本での受容と野球害毒論争、中国東北部や台湾など外地での広まり、そして戦後の展開と課題といった具合に話題が詰め込まれていて読み応えがある。結論としては学校を出て就職した後も、野球経験者も未経験者も、あるいは男性だけでなく女性も野球ができる(あるいは続けられる)環境を整えていくべきということになるんだろうか。2025/04/12

電羊齋

14
野球部・体育会系への否定的イメージから説き起こし、野球部ひいては野球界の抱える問題を解剖する。明治大正にすでにあった勝利至上主義批判、本来包摂的特性を持っていた野球が次第に「男らしさ」に回収されていく過程、高校野球の問題、「男性性」の象徴の「軍人」から「野球選手」への移行、そして「見るスポーツ」としての消費、スポーツ新聞と「Number文学」に見られる野球への技術論的・批評的視点の欠如など興味深い指摘が多い。体育会系、文化系、ジェンダーの枠に囚われない野球、体育、スポーツの在り方を訴える著者には賛同。2025/04/21

Katsuto Yoshinaga

11
就職市場で「体育会系神話」と言われる優良企業への就職が有利となる現象を、体育会系部活動はメリトクラシー(能力主義、業績主義)の裏ルートであり、正々堂々ではないアンスポーツマンライクな現象であると語られている。私は熱心なプロ野球(NPB)ファンを自認しているが、この体育会系神話とアマチュア野球の道徳的かつ共同体中心主義的なところに不満を持っていた。そんな私には、本書で書かれているエンジョイから”魂”への変遷と批評は面白かった。しかし、精神論批判の精神論と感じるところも多少あり、そこはちょっと不満だった。2025/03/26

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