ブラックホールは白くなる

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ブラックホールは白くなる

  • ISBN:9784140819838

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内容説明

理論上の天体「ホワイトホール」の存在に迫る! 天才物理学者による圧巻の宇宙論

2019年に観測され、ついに存在が明らかになった「ブラックホール」。光さえも吸い込むこの天体は、どのような運命をたどるのか。カルロ・ロヴェッリが提唱するループ量子重力理論を推し進めると、ブラックホールは長い時間を経たのちに、あらゆる情報がそこから噴出する「ホワイトホール」に変わる可能性が浮かび上がる。ブラックホールは時の経過とともにて細く長く引き絞られる漏斗のような構造を持ち、最も深い領域では量子現象による時空の歪みの影響を受け、時間が反転する。そして黒い穴は、白い穴へと変わる――

『時間は存在しない』『世界は「関係」でできている』で常識を覆し、”ホーキングの再来”と評された天才物理学者が、満を持して自身最大のテーマである「ブラックホールとホワイトホール」の謎に挑んだ集大成の一冊。

【内容】
第一部  黒い穴(ブラックホール)
 第一章  ブラックホールとは何か
 第二章  地平線で時は止まるのか
 第三章  不穏なる時間の相対性
 第四章  内側に行って、見る
 第五章 量子効果と特異点
 第六章 ブラックホールの奥底を見る

第二部  白い穴(ホワイトホール)
 第七章  ホワイトホールとは何か
 第八章  空間そのものを構成する基本粒子
 第九章  ブラックホール内部での飛躍
 第十章  計算は今も進行中
 第十一章  ホワイトホールの外部で起きること

第三部  過去と未来
 第十二章  科学者たちの論争
 第十三章  ホワイトホールの地平線
 第十四章  過去と未来は何ゆえ異なるのか
 第十五章  わたしたちは未来を思い出すことができない
 第十六章  わたしたちは過去を選べない
 第十七章  天空を漂うホワイトホール

訳者あとがき
原注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

62
本書は、文系理系を跨って宇宙論を展開する、まさにロヴェッリ節炸裂。ダンテ(の『神曲』…ベアトリーチェ愛!)に限らず古代ギリシャ・ローマ以来の古典は愚か、東洋の古典への造詣も深い。中国唐代の禅僧で臨済宗開祖の臨済義玄の言行をまとめた語録である『臨済録』から「殺仏殺祖(仏に逢うては仏を殺せ)」なる語が引かれていたりする。2025/07/04

逆丸カツハ

33
超絶面白かった。超ひも理論とループ量子重力理論は互いに背反するものでないかもなのか。時間の話も何となく飲み込めたと思う。うーん、優美な文章だなぁ〜。2025/07/08

ちゃんぐ

13
かれこれ40年以上昔、科学雑誌ニュートンで読んだホワイトホールの話。ブラックホールの圧縮が量子レベルまで進むとバウンドしてそれがホワイトホールになるんだと。ダンテの神曲からの引用がいたるところにちりばめられ、宇宙の解説というよりは一種の詩編、またはエッセイのようでした。まぁ、字が大きくて読みやすかったが内容はよくわかりませんでした。ベアトリクスといえば、リゼロのベア子しか思い浮かばん。2025/06/13

わたなべよしお

13
 よくもまぁ、これほどの話を実に簡易に、分かりやすく書けたものだと感心します。ホワイトホールは勿論、ダークマターの正体に関する仮説まで。ただ、これは科学本というよりはエッセイに近いような気がする。個人的にはダンテの「神曲」を絡めた記述は必要なかったかな。むしろ、もう少し精緻な宇宙の話も読みたかったかな。2025/03/14

toshi

12
ループ量子重力理論を基にブラックホールの変化を解説した本。ブラックホールが時間とともに変化し相対性理論が破綻した次の瞬間からホワイトホールとなるという理論だけど、ホワイトホールは時間が逆行すると言うことで、後半は時間についての考察となる。時間とは平衡状態(熱力学的に言えばヒートデスことだと思う)に向かって流れていると言う説明だけど、哲学的な内容はともかく神話の抜粋みたいな話が随所に登場するのはかえってわかりにくい。西洋の人にはお馴染みなのかな?? 学生時代に教わった量子力学からだいぶ進歩してきたと思った。2025/03/19

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