救われてんじゃねえよ

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救われてんじゃねえよ

  • 著者名:上村裕香【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 新潮社(2025/04発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103562313

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内容説明

主人公の沙智は、難病の母を介護しながら高校に通う17歳。母の排泄介助をしていると言ったら、担任の先生におおげさなくらい同情された。「わたしは不幸自慢スカウターで言えば結構戦闘力高めなんだと思う」。そんな彼女を生かしたのは、くだらない奇跡だった。選考委員が大絶賛した「R-18文学賞」大賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

75
主人公はヤングケアラーだ。難病の母を介護している17歳の高校生・沙智。父と母と3人で暮らすのは八畳一間、築50年の県営住宅。巻頭から赤裸々に書かれた生活は同情をかうのだが、家族の生活の中には笑いがある。それは家族の明るさなのか、書き手のうまさなのか。やがて高校を卒業し家を出ても、帰省すればまた始まる生活。しかし毒親とも受け取れるこの両親になぜか怒りがわかない。そうだよねと納得してしまうのだ。「泣き笑い」そんな言葉がピッタリの読後。 【第21回女による女のためのR-18文学賞】大賞2025/05/01

よっち

32
難病の母を介護しながら高校に通う17歳の沙智。絶望を感じる状況の中でいかに自分の人生を生き抜くかを描いた青春小説。父親は稼げないのに浪費家で母の介護にも協力的でない貧乏な家庭。母の介護をしている状況を担任の先生や同級生に大げさなくらい同情される状況には、自分の未来を信じられなくなるのも仕方ないと感じましたが、ここから幸運にも大学に進学してからも、実家に戻って面倒を見てくれるのを当然と考える両親のプレッシャーを感じながら、自分の人生をどう生きるのか。彼女が抱える葛藤はなかなか壮絶で心に来るものがありました。2025/04/20

shio

30
金銭感覚も衛生観念もない両親と介護の日々。「ヤングケアラー」にふさわしい「不幸」に当てはまっていこうとする沙智。修学旅行にも行けず就活のエントリーシートにう〇こをつけられたり、両親の常識の無さに愕然として傷付き、一方でそのあり得ない行動で救われる。はまり込んだ泥沼が思いがけず温かく包んでくれたような、危うい心地良さ。嫌なことも辛いことにも、全て人の体温を感じる。とんでもない家族だけど、普通の家族。わざわざ今を「不幸」認識しなくてもいいんじゃない?何にも解決してないけど、最後に救いがあるような気がする物語。2025/03/10

shikada

16
表紙とタイトルで思わず立ち読みして即買い。主人公はいわゆるヤングケアラーで、高校に通いながら難病の母親のケアをしている。自身の弱さを理解して娘にべたりと甘えてくる母親と、わかりやすく駄目人間な父親とのプライバシーがない生活が分厚いリアリティを持って迫ってきて、くすりと笑えるシーンもあったはずなんだけど、読んでる最中は脳内がシリアスに塗りつぶされてしまって笑えなかった。進学で上京することを告げた劇的なシーンのあとに、両親が帰ってきて日常に引き戻されるところが妙に印象に残っている。2025/04/16

りら🍹 @美玲と夜花とペア画中

12
タイトルに惹かれて購入。障害者の母と難癖ある父と暮らす主人公のお話。文章書くのうまいしめちゃくちゃ共感できました。めちゃくちゃおもしろかったです2025/05/05

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